高円宮典子さま、出雲大社神職の千家氏と婚約内定 「女性宮家」議論に海外紙も注目

 宮内庁は27日、高円宮妃久子さまの次女である典子さまの婚約が内定したことを発表した。お相手は、出雲大社(島根県出雲市)で神職についている千家国麿(せんげくにまろ)氏。今年7月に一般の結納にあたる「納采の儀」が行われ、10月頃に出雲大社で結婚式が行われる予定。皇族女性のご結婚は、天皇陛下の長女、黒田清子さん(紀宮さま)以来、9年ぶりとなる。

【千家氏の横顔】
 千家国麿氏は、1973年9月2日生まれの40歳。代々、出雲大社で宮司を務める千家家の長男で、国学院大学文学部神道学科を卒業した後、乃木神社(東京都港区)などで神職に就き、2005年に出雲大社に移った。

 現在の出雲大社トップ(宮司)は、国麿氏の父である千家尊祐(せんげたかまさ)氏である。国麿氏は、宮司、権宮司(2人)に次ぐ禰宜(6人)の立場にある。また、祭事全般を取り仕切る祭務部長も務めている。

 婚約内定後の記者会見では、「(今の率直な気持ちは、)大国主の大神様のお導きのもと、このような素晴らしい方とご縁をいただきましたことを大変うれしく思っております」や、「(出雲大社に後続をお迎えすることに対し、)わたくしどもの家の初代が皇祖天照大神の次男と伝えられております。その2000年を超える時を経て、今、こうして今日という日を迎えたということに深いご縁を感じております」など、神職に就く者らしい回答が垣間見られた。

【お二人の歩み】
 お二人の出会いは、2007年4月のこと。典子さまが、母である高円宮妃久子さまとともに出雲大社に行かれた際に、出会われた。もともと高円宮家と千家家は親交があったため、その後は、両家共通の趣味であるバードウォッチングなどを通じて、お二人は親交を深められた。

 正式なプロポーズはなかったものの、結婚の話は、はやい段階から自然に出ていた、と会見中、語られた。ただ、出会われた頃は典子さまが学生だったこと、大学卒業後もしばらくは公務に携わりたいという典子さまの希望もあり、話はゆっくり進んだという。

 さらに昨年、出雲大社では、60年ぶりに大遷宮(平成の大遷宮)が行われ、千家氏も多忙を極めていた。それが落ち着いたのを見計らい、今回の発表となった。

【皇室典範改正に関する議論はどうなる?】
 典子さまは結婚されると、2005年の清子さま同様、皇室典範の規定により皇室(皇籍)を離れることになり、皇室は21人となる。

 朝日新聞は、女性皇族のご結婚により皇族の数が減れば、皇室活動に支障をきたす恐れがあると報じている。天皇陛下の子、孫にあたる内親王のみ、結婚後も皇室にとどまる「女性宮家」の創設を認める案が、民主党の野田政権下で議論されてきた。しかし、同紙によると、安倍政権下では議論が進んでいないという。皇室活動の安定化のためにも、典子さまの婚約を機に、再考する必要があるのではないか、とウォール・ストリート・ジャーナル紙は伝えている。

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Text by NewSphere 編集部