世界一スマートな都市は東京…ロンドン、NYが続く 課題は環境と“社会的一体性”と海外紙報じる
スペインの有名ビジネススクールIESEが、2014年度のスマートな都市ランキング(Cities in Motion Index)を発表し、東京が1位に輝いた。これは、技術革新性、持続可能性、生活の質のレベルを評価し、社会政治的、環境的変化に適応するための都市能力を調査したものである。日本では、東京のほか大阪も8位にランクされている。
【評価方法】
今回は55ヶ国の135都市を対象に調査が行われた。政治、公営、都市計画、技術、環境、国際的支援活動、社会的一体性、交通の便、人的資本(人材を誘致する能力)、経済の10項目を50の指標で総合的に評価。その結果、技術、経済、人的資本に対する高評価を背景に、東京がトップにランクされた。
その一方で、環境に対する評価は全体の20位、社会的一体性に至っては、全体の125位という低いランクに留まっており、問題点が浮き彫りになった。
【スマートな都市トップ20】
今回発表されたスマートな都市のトップ20には、ヨーロッパの10都市、アメリカの6都市、アジアの3都市、オセアニアの1都市が選ばれた。
1位東京(日本)、2位ロンドン(英国)、3位ニューヨーク(米国)、4位チューリヒ(スイス)、5位パリ(仏国)、6位ジュネーブ(スイス)、7位バーゼル(スイス)、8位大阪(日本)、9位ソウル(韓国)、10位オスロ(ノルウェー)、11位フィラデルフィア(米国)、12位ロサンゼルス(米国)、13位ダラス(米国)、14位コペンハーゲン(デンマーク)、15位アイントホーフェン(オランダ)、16位アムステルダム(オランダ)、17位シドニー(豪州)、18位ストックホルム(スウェーデン)、19位シカゴ(米国)、20位ボルチモア(米国)。
【ランク付けの意味とは?】
現在、世界各地で都市化が加速し、多くの問題に直面している。それを踏まえた上で、発表された調査結果を分析すると、各都市が取り組むべき課題を認識でき、積極的に問題に取り組むきっかけになるとガーディアンに寄稿した識者は、指摘している。また、トップ3の都市は、現在の状況をきちんと認識し、将来に向けて明確で一貫した都市計画をたてていると評している。
調査をしたIESEも、各都市に適した長期戦略をたて、全ての項目の底上げをしていくことが、都市改革につながるとしている。さらに、上位にランクされた都市にも、改善すべき項目があり、完璧な都市は存在しないとコメントしている。