任天堂、『トモダチコレクション』同性婚機能の追加要請にノー 海外ゲーマー「今さら直すのは難しい」
任天堂のヒット作、『トモダチコレクション 新生活 (英語版:Tomodachi Life)』が、欧米で6月に発売される。ゲーム内では異性間の結婚しかできないことから、ファンが同性婚を可能にと嘆願活動を始めたが、「変更はしない」と任天堂が発表。海外紙は、その経緯を報じている。
【ソーシャルメディアに訴える】
『トモダチコレクション 新生活』は日本で昨年発売され、12月時点で183万本を売り上げた、ニンテンドー3DSの人気ソフトだ。架空の島で、Miiという人間型キャラクターが暮らす設定で、友達を作り、恋愛し、結婚したりする。ただし、デートや結婚は、男女間でしかできない。
この状況に疑問を感じたのは、同社のファンでアリゾナ州に住むタイ・マリーニさん。APによれば、23歳のゲイである彼は、「自分のフィアンセのMiiと結婚したいのに、できない」とオンライン上で投稿したビデオの中で嘆いた。
「キャラクターは自分の実生活を反映するはず」と言うマリーニさんは、任天堂にゲーム上での同性婚を可能にしてもらう活動を開始。ツイッターやフェイスブックで、#Miiqualityというタグを通じ、サポートを求める運動を始めた。
【ゲームは現実とは違う】
これに対し、任天堂アメリカは、ゲームに変更は加えないと回答。『Tomodachi Life』発売に際し、「いかなる社会的主張も行う意図はない」として、同性婚の是非を問うかのようなメッセージをゲームに盛り込みたくないことを示唆した。
さらに任天堂は、「ゲームは遊び心のある現実外の世界であって、実生活のシュミレーションではない」とし、ファンにはこのゲームが「面白くて癖のあるゲーム」を目指し作られていることをわかってほしい、とAPを通じてコメントした。
ちなみにワシントン・ポスト紙によれば、同様のゲームである『ザ・シムズ』や『フェイブル』では、同性間の恋愛は可能ということだ。
【ゲーマーからは一定の理解】
ゲーマー向け情報サイト『Kotaku』は、ファンの嘆願に対する任天堂の回答は酷い、と非難。同性愛者のゲーム上での恋愛や結婚の権利を否定すること自体が、社会的主張だと皮肉っている。
ところが、『Kotaku』に寄せられたコメントは、任天堂側に理解を示すものが多数あった。
・日本で去年発売されてるんじゃ、いまさら直すのは難しい。新しいゲームは次々開発されてるんだし。
・ゲームなんだから、現実にあるオプションがいつも利用できるって訳ないでしょ。
・じゃ、おれが黒人やアジア人、ヒスパニックになれないゲームを作ったら、人権侵害なのかよ。ばかばかしい。
・社会的主張がなんだっていうけど、任天堂は賢く立ち回ってると思うわ。ゲームをする子供達の親からは、安心できる会社だって思われたいもんね。
・最初からこういう問題想定してなかったのが間違いだったね。
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