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“酸に浸けるだけ” 新たな万能細胞を日本のチームが作製 海外から称賛と期待の声

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“酸に浸けるだけ” 新たな万能細胞を日本のチームが作製 海外から称賛と期待の声

 理研・発生再生科学総合研究センターの小保方(おぼかた)晴子博士らのチームが、新生児マウスの分化済み細胞を、弱酸性環境に30分ほど晒しておくだけで、未分化の胚様(多能性)幹細胞に戻せることを確認した。29日のネイチャー誌上の2論文で発表された。

 チームはこの過程を「刺激惹起性多能性獲得(STAP)」、得られた細胞をSTAP細胞と呼んでいる。成体マウス、あるいはヒトの場合については、まだ研究中であるという。

【要するに刺激があればいい】
 英ガーディアン紙によると小保方博士は5年前、ハーバード大医学部時代に、細い管を通過する細胞が幹細胞のサイズに縮小することに偶然気づいた。そのことから熱、飢餓、酸性環境といったストレスが、マウスの白血球から始まって脳、皮膚、筋肉、骨髄、肺、肝臓など各種細胞に与える影響を研究し、数度の論文落選も経て、今回の結果に至った。効果があるストレスは酸性環境に限らないが、pH 5.5の緩い酸性溶液への浸漬が、最も効果的だったという。

 ならば人間が「レモンや酢を摂取したりコーラを飲んでも」体の細胞が幹細胞に戻らないのはなぜか、という疑問もある。従って生体内ではこのような現象には何らかの抑制がかかっているのではないか、との仮説が出ているようだ。

 小保方博士は「このような顕著な変換が外部刺激で簡単に惹起できることを確認したのは、非常に驚くべきことでした」と述べている。また他の研究者らも、「信じがたい発見」などと驚愕しているという。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、ワニの胚が孵化温度によってオスにもメスにもなるなど、成熟細胞が環境によって「身元を変える」例はあるが、哺乳類ではありえない事と考えられてきたと指摘する。

【いよいよオーダーメイド医療の時代に】
 胚様(多能性)幹細胞は、体の他の部分の組織・器官に発達できるため、患者自身の細胞を利用することで免疫的副作用なしに、病気や怪我の治療に活用できるとされる。ロンドン大学のクリス・メイソン教授は「人間で機能するなら、これは最終的に出発物質として患者自身の細胞を使用して行える、広範な細胞治療法を作るゲームチェンジャーになりえます。オーダーメイド医療の時代がついに到来したということでしょう」と述べている。また小保方博士によると、細胞が摩耗を蓄積してゆく老化メカニズムの解明にも役立ちうるとのことだ。

 しかし胚様幹細胞を得るには従来、患者の細胞から胚をクローン複製するか、細胞に遺伝子を導入する(※山中伸弥博士が2012年、「誘導多能性幹細胞(iPS細胞)」の製造法でノーベル賞を受賞)しかなかった。これらには胚(※すなわち生命)を製造・破壊するという倫理的問題や、癌化などの安全上の懸念があった。ただしSTAP法も今後、安全性の検証は必要である。

【驚くのはまだ早い】
 さらにウォール紙は、論文の共著者であるハーバード大学医学部のチャールズ・バカンティ教授の未発表の研究に触れ、「最大の驚きはまだだ」と評している。それによると、STAP細胞は、化学的環境によっては胚性幹細胞ではなく胎盤細胞に変化する場合もあるらしく、もし確実となれば「いよいよ全能」の細胞と言えるとのことだ。哺乳類でこのような全能細胞は受精卵しかない。

 バカンティ教授がヒト新生児の包皮から分化した細胞に機械的応力をかけて損傷を与えたところ、「STAP細胞に良く似て見えるもの」に変わった、とのことだ。また脊髄を損傷したサルにSTAP細胞を移植したところ「非常に印象的」な結果が得られたが、まだ検証の必要があるという。

生命の未来を変えた男 山中伸弥・ips細胞革命

(Newsphere編集部)

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