“本当に危険なの?” お餅の窒息事故報道に対する海外の反応
新年に日本全国で食べられる伝統食「お餅」。お雑煮やおしるこに入れるもよし、シンプルに砂糖醤油を付けて食べるもよし――様々な食べ方で愛されているお餅だが、毎年高齢者を中心に、のどに詰まらせる窒息事故が多発することは周知の事実である。2013年12月30日、英ガーディアン紙は、日本におけるお餅による窒息事故の現状と、その予防策となり得る「安全なお餅」が開発されたことを報じた。
【お餅の窒息事故には、テクノロジーで対抗?】
ガーディアン紙は『日本、テクノロジーで餅による死の落とし穴に対抗』と題した記事にて、餅による窒息事故を減らすべく、高齢者が安心して食べることができる歯切れのいい餅が開発された、と報じた。開発者は、大阪に本社を置く株式会社ふくなおのメディカルフーズ事業部。同社によれば、この商品には、餅本来の弾力を保ちつつも、粘着性を弱める酵素が含まれているそうだ。同社は試食モニターなどを通じ、消費者からの好感触を得ているという。
記事ではほかにも、日本の餅関連のデータを紹介。2011年には、餅をのどに詰まらせ全国で8人が死亡し、18人が病院へ搬送された。また、2010年に実施された、内閣府の食品安全委員会による食品健康影響評価によれば、餅は窒息事故頻度が最も高い食べ物であり、餅の窒息事故の被害者の80%以上が高齢者である、とのデータも引用。日本人の餅の年間平均消費量の約1キロで、そのほとんどが1月の第1週に消費されるとも報じており、窒息事故が新年に集中する現状を裏付けしている。
同記事へのコメント欄は、お餅が好きだという声や、お餅の食べにくさに共感する声が多数集まった。しかし中には、“これって、イギリスメディアに典型的な誇大報道なの?それとも本当にお餅って危険なの?”と報道の真偽を疑問視する声も見られた。
また、“単純に、ちょっとずつ食べればいいんじゃない、って思いついた人はいないの?”との発言には、“きっと餅を食べたことがないんだろうけど、ちょっとずつかじるのに適した食べ物とは言いがたいんだよ”と、日本通と思われる他のユーザーがいさめる場面もみられた。
【“雪見だいふく”ヒットを機に、海外にも浸透】
日本の伝統的な食べ物であるお餅は、北米を始めとする海外でも浸透してきている。アメリカ合衆国のハワイ、サクラメント、リヴィンストン等多数の地域で餅つきイベントが日系人を中心に毎年行われており、日本の伝統行事として餅つきが受け継がれている。ロッテ「雪見だいふく」の類似品が現地メーカーより販売され、これらの商品がヒットしたこともある。一般的に「モチ・アイスクリーム」と呼ばれるこれらの商品のおかけで、日本の「お餅」は日系人以外にも広く認知される食べものとなったようだ。