安倍政権下で死刑執行が加速 廃止主流の世界から「残酷」と非難の声
12日、2人の死刑囚の死刑が執行された。死刑が執行されたのは、1986年に元妻の親戚と後日元妻の知人を殺害した藤島光雄死刑囚(55)と、2000年の強盗殺人と2008年の強盗未遂による殺人が確定した加賀山領治死刑囚(63)。
執行を命じた谷垣禎一法務大臣は、「死刑に対しては様々な批判があると思うが、法は死刑を許し、原則として国民が支持していると信じている」、「記録を精査して執行している」とコメントしている。
【民主党政権から安倍政権、執行頻度の変化と政権への影響は?】
昨年12月に発足した安倍政権下では、8人に死刑が執行されている。一方、3年3ヶ月間の前民主党政権下では、9人の死刑が執行されていた。各紙は安倍政権下で死刑執行のペースが加速していることを指摘している。
また12日の死刑執行は議会の休会後で、先週の特定秘密保護法案の可決に続いて、安倍政権の支持率を低下させるものとなった、と英ガーディアン紙は伝えている。
【世論調査「80%が死刑支持」、日本の死刑囚の現状と海外の見解】
日本には現在、確定死刑囚が129人いる。世論調査では、80%が死刑執行に賛成している。これに対し海外各紙は、日本は世論の支持を盾に、国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルやEUからの廃止を求める声を押し切ってきたと指摘している。なお世界198ヶ国のうち、欧州連合(EU)加盟国を含む、3分の2以上の国が死刑を廃止している。G7加入国では日本とアメリカだけ死刑制度を存置している。
これに対し、ガーディアン・エクスプレスは、日本の死刑制度がとりわけ「残酷」と非難されるのは、刑が執行されることを数時間前に知らされる点だと伝えている。それまで長年にわたって独房で過ごさざるを得ないため、「行き過ぎ」ではないかと疑問を呈している。
NewSphere編集部 |