日本が汚染ゴミで周辺諸国に宣戦布告? 過激な中国報道

 東日本大震災の津波で発生したがれきの山が、巨大な島となってアメリカへ向かい太平洋上を漂流している。その面積はテキサス州とほぼ同じ―。先週、新華網などを含む多くのメディアがこのニュースを報道した。発端となったのは、先週アメリカ海洋大気庁(NOAA)が、サイト上に公開したグラフィックマップと記事。マップには漂着物の位置などが示されている。後にNOAAは、マップ上の表示は具体的な塊の大きさを示すものではなく、報道のようながれきの島は存在しないと発表。しかしその後も中国国内では“核汚染ゴミで周辺国へ宣戦布告か”などという見出しで、日本を批判する内容の報道が見られた。

【最終的にはアメリカを超える面積/日本からのプレゼント…やや盛り気味の中国報道】
 人民日報傘下の環球時報ネット版・環球網は下記のように報道した。現在この“有毒怪物”であるがれきの島は、太平洋岸から2700キロ離れたハワイとカリフォルニア州の間を漂流。周辺の漂流ゴミも吸収していけば、理論上は最終的にアメリカを超える面積になり、総重量は500万トンにも及ぶ可能性がある。これらは数年以内にハワイとアラスカに漂着し、一部は大西洋を超えるだろう。

 また日本のゴミが同盟国であるアメリカに漂着、という構図を皮肉る報道も少なからず見受けられた。股城網は、巨大な領土をプレゼントした日本は、やはりアメリカに忠実だ、と報道。同記事では、自国はがれきをまき散らしておいて、PM2.5のことをあれこれ言うのはいかがなものか、という批判もされている。
 
【核汚染物質をまき散らし続ける日本】
 人民日報の海外版である海外網では“日本は周辺諸国に向けて「核汚染ゴミ戦」を仕掛けているのか?”というタイトルの記事を掲載。震災発生後から今回のがれき漂流までの、日本の対応を痛烈に批判した。

 まず批判されたのは、震災直後に起こった福島第一原発の汚染水流出だ。中国や朝鮮、韓国などが被災状況に同情しているのをいいことに、日本は故意に汚染水を流した、と記事には書かれている。

 太平洋を漂流する以前に海に沈んだとされる大量のがれきも、東アジアの環境に影響を及ぼし続けていると指摘。さらに今回のがれき漂流は、広島原爆投下の報復であり、放射能の恐ろしさをアメリカにも味わわせる目的があったのではないか、とするネットの声も紹介した。

【未加盟だった原発事故損害賠償条約】
 また海外網は、1997年に採択された「原子力損害の補完的補償に関する条約(CSC)」に、日本がこれまで未加盟だったことにも触れ、その理由を2つ挙げた。

 まず自国の原発の安全性を過信していたこと。そして未加盟であれば、周辺諸国が災害により日本に損害をもたらした場合、その相手国に賠償請求が可能である、ということ。しかし結局このことが、自らが賠償国となる結果を招いたと報じた。最後は、日本の一連の行為は、周辺諸国の農業や漁業に多大な損害をもたらすものであり、被害を受けた国は早急に損害賠償請求を行うべきだと締めくくられている。
 
 なお日本政府は原発事故から2年以上経った先月31日、この条約に加盟する方針を明らかにした。

Text by NewSphere 編集部