「大きすぎる」新国立競技場を著名建築家が批判 海外からも賛否の声

 9月、国際オリンピック委員会(IOC)で2020年の第32回夏季オリンピック競技大会(五輪)が東京で開催されることに決まりました。

 開催地決定前は、東京での開催に対して国民の関心が薄いと言われてきましたが、いざ決まると、まだまだ先のこととはいえ、自ずと熱を帯びてくるもの。

【新国立競技場のデザイン】
 そこで、にわかに騒がしくなってきたのがメイン会場となる新国立競技場のデザインについてです。

 デザインが決定したのは、開催地が決まる1年近く前の2012年11月。公募のなかから選ばれたのは、建築界で権威あるプリツカー賞を女性で初めて受賞した、イラク出身のザハ・ハディド氏の作品でした。

 当初、ネットなどでは、その奇抜なデザインに対して批判はあったものの、あくまで限られた範囲のものでした。

 しかし開催地が決定した今、世界的建築家の槇文彦氏を中心にした建築家グループが、「周囲の景観にそぐわない。大きすぎる」として都内でシンポジウムを開くなどの動きが出てきています。

【海外の反応】
 その様子を報じる、世界のデザインニュースを伝えるdezeenの記事などに、イメージ図を見た海外の人から多くの反応が寄せられています。

 反対の声を伝える記事だったためか、批判的な意見が多く、

「過去の未来主義の産物に見える」
「安藤(編注:同コンクール審査委員長を務めた安藤忠雄氏)がこれを支持したなんて驚きだ」
「槇に賛成だ、このデザインは全くひどい。周りの環境にも配慮していない。荒れて醜い親指のように目立つ」
「とても、とても、とても醜い」
「なんて目障りな建物なんだ。この提案がこのようなコンテストで受賞するなんて悲しすぎる」
「確かに醜い…周りに全く合っていない」

といったものがありました。

 一方、デザインを称賛する声は少数で、

「自分は可能な限り大正や昭和的な景観を保存することに大賛成だけど、このデザインが見事だということは認めざるを得ない。既に都市の西側の中心地と調和している」

といったものがありました。

 海外の人の間でも賛否のわかれる新競技場のデザイン。今後どういった動きを見せるのでしょうか。

Text by NewSphere 編集部