東京五輪で英語力をあげるべし! 海外メディアが日本人に喝

 オリンピックを開催することによって開催国が受ける影響は様々だ。

 日本の場合、1964年の東京オリンピックでは、交通網の整備やカラーテレビの販売増加、「ゴミ都市」が清掃により様変わりするなど、敗戦国日本が国際社会において復活をみせる大イベントになったと言われている。

 では、56年ぶりの開催となる2020年の東京オリンピックはどうだろう。海外メディアは、「英語力」を挙げている。

【はたして文法重視から脱却できるのか】
 フォーリン・ポリシー誌は、英語力の低さを日本社会が抱える大きな課題として取り上げている。現在、義務教育で3000時間以上の英語教育を受けているにも関わらず、そのレベルは低いのが現実だ。実際、2012年のTOEFLでは、日本はアジア圏内で下から2番目だった。島国文化や文法重視の教育などが原因と言われている。

 同誌は、7年後の五輪に向けて、日本がついに問題の解消を図ることができるのか、と注目。アベノミクスの成長戦略が掲げる、グローバルな視点での産業成長や人材育成では、「使える英語」が必須だ。ニューヨーク・タイムズ紙は、英語も含めた教育改革に対する、下村文科相の強い意向を伝えている。

 新たな日本を国際社会にアピールする絶好のチャンスでもある五輪開催を機に、英語教育における本格的なテコ入れが、国内外から注目されているようだ。

【五輪を機会に継続的に英語力アップを】
 近い事態は過去の五輪開催国にもみられる。例えば中国では、2008年北京五輪の際に、タクシー運転手や警察官、ボランティアスタッフに向けて英語クラスを提供していた。また、2014年のソチ冬季五輪に向けて、ロシアも英語強化を行っているようだ。

 しかし、フォーリン・ポリシー誌は、それを一過性の努力に終わらせないことが重要だと指摘している。安倍首相が訴えているように、日本がより外に目を向け、五輪のお祭り騒ぎにとどまらず、英語力を磨くことのメリットを見出してこそ、長期的な発展が実現できるだろう。

 総じて、五輪を通じて日本が海外から注目されるとともに、国民が外の世界とそこに広がる様々なチャンスを実感し、よりよい変化が生じるのではと期待が寄せられている。

Text by NewSphere 編集部