酒風呂(Sake Bath)が世界で流行の兆し?

 日本ならではの、ある入浴法がにわかに世界から注目を集めている。その入浴法は「酒風呂」だ。酒風呂は文字通り、お風呂に日本酒を入れて浸かる入浴法だ。日本人にとってもあまり馴染みがない入浴法かもしれないが、箱根小涌園 ユネッサンや、熊本の銭湯などで実際に行われているようだ。

 酒風呂が世界から注目を集めたきっかけになったのが、Lonely Planetが新潟県の旅館で提供されている酒風呂を、”Sake Bath”として紹介した記事だ。この記事を受けて、ファッション雑誌VOGUEなどを発刊するコンデナスト社が運営するCondé Nast Travelerが「Why You Should Take a Sake Bath in Japan(日本で酒風呂に入るべき理由)」というタイトルで、日本へのトラベラーに対して酒風呂を薦める記事を掲載した。この記事で紹介されているSAKE-TALKによると、酒風呂によって、1, 肌をなめらかにする、2, 肌を白くする、3, 肌をしっとりとさせる、4, アンチ・エイジングという美容効果が期待できるそうだ。また、健康効果として、1, 体が長く温まる、2, 発汗が促進される、3, ダイエットを促進、4, 安眠を促進される点が挙げられている。

 そして、最先端トレンドを発信する女性向けメディアRefinery29にも、酒風呂について取り上げる記事が掲載されている。この記事では、すでにニューヨークのいくつかのスパでは酒風呂が体験できることや、酒風呂が手軽に楽しめる入浴剤が紹介されている。トレンドセッターのメディアで相次いで取り上げられたことを考えると、酒風呂はこの先、枝豆(Edamame)や梅干し(Umeboshi)といった日本のヘルシーフードの世界的な流行に続き、トレンドになることもあり得るだろう。

 酒風呂に興味を持った場合、前述のSAKE-TALKが紹介する酒風呂の入り方が参考になる。摂氏40度程度のお湯に対して、1%の日本酒と、酒風呂の効果を高める1%のオプショナル成分(はちみつやレモン、塩や生姜など)を入れることを薦めている。酒風呂が世界で流行する前に、先んじてあなたのバスタイムに取り入れてみてはいかがだろう。

photo by Soichi Sakata

Text by 酒田 宗一