任天堂、GBエミュの特許取得も、スマホ対応の可能性低い…著作権保護がねらいと海外報道

 任天堂が、「ゲームボーイ」端末エミュレーターに関する特許を取得していたことが明らかになった。任天堂のゲームタイトルが、任天堂以外のハードウェアでプレイできるようになる可能性がある。ただし海外メディアは、その可能性は低いと見ている。

◆公式エミュレーターに関する特許
 特許の内容は、「ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンスを始めとする携帯型ゲームプラットフォームを、航空機や電車の座席ディスプレイ、個人のデジタル機器、携帯電話などの低機能プラットフォームでプレイ可能にする。ゲームボーイ本体でプレイするのと同等の、高品質グラフィックスとサウンドを提供する」、というものだ。今後、低機能のプラットフォーム上でのパフォーマンススピード、高品質のサウンドやグラフィックの確保が課題となっている。

『CNET』によると、これは新しい技術ではなく、2000年に最初に出願されて以降、2003年と2012年に更新されている。一方で今回は「分割出願」として出願されていると言う点で、2012年の「継続」扱いとは異なり、新しい特許になる。

◆任天堂の狙いは
 任天堂のゲームを様々なプラットフォーム上でプレイできるようになるかもしれない、という期待が広がっている。一方で同社の岩田聡社長は、『スーパーマリオブラザーズ』、『ゼルダの伝説』、『星のカービィ』などの代表作のエミュレートは考えていないことを明らかにしている。アナリストは任天堂ゲームのエミュレートの可能性は低く、他エミュレーターや著作権侵害に対抗する目的か、と分析する。

『IBTimes』は、特許を得ることによって任天堂が2001年セガの例に倣い、ハードウェアの領域から離れてソフトウェアに専念することになる可能性を指摘している。同社は2日、「所有している多くの特許や商標のひとつ」として詳しいコメントは避けたという。

 これまでも任天堂は、自社作品を任天堂以外の機器でプレイできるようにすることを拒否してきた。岩田社長は10月にも、「クラウドやスマホなどの機器でのゲームには参入しない」との意向を示している。近年スマホやタブレットの無料ゲームに圧されがちな中、新たな動きか、著作権を守るための動きか、注目が集まる(IGN)。

◆海外の反応
 海外ユーザーからは期待の声が寄せられた。

・任天堂ゲームがプレイできるようになれば良い。
・任天堂ゲームを他の機器でプレイするのが待ちきれない。
・ようやく時代の流れについてきたみたい。

 また今回の特許取得が、著作権を守るためであるという見解に基づいて批判的な意見も寄せられている。

・任天堂の営業不振は、代表的なゲームをスマホなどの携帯機器でプレイできるようにしない、岩田社長の了見の狭さこそが原因。
・任天堂が開発した技術でもないのに、特許を取って他のエミュレーターを規制しようとする動きだ。
・全てのエミュレーターを規制することなんて不可能。

Text by NewSphere 編集部