自撮りをLINEスタンプにできるiPhoneアプリ、海外で公開 欧米攻略のカギとなるか

 LINEは6月10日、海外向けにiPhoneアプリ「LINE Selfie Sticker」をリリースした。海外メディアは、LINE欧米進出における戦略と見ている。

【iPhoneアプリ「LINE Selfie Sticker」】
 「LINE Selfie Sticker」は、自分撮り機能とスタンプ機能を組み合わせたアプリになっている。自分や友人の写真を撮り、選んだフレームにはめ込んで合成することで、オリジナルスタンプを簡単に作ることができる。写真のサイズやアングルの調整、また吹き出しにセリフを入力するなどのカスタマイズが可能だ。130種類以上の無料フレームの中には、チアリーダー、宇宙飛行士、海賊、モンスターと何でも揃っている。

 LINEのプレスリリースによると、色々なシチュエーションで使えるオリジナルスタンプが3タップで素早く簡単に作成できる。日本国内でのリリース予定は不明だが、アンドロイド版アプリも近日リリース予定だという。

 作ったスタンプは、LINEのトークやタイムライン、プロフィール写真としてアップして友人と共有できる。他にもFacebook、ツィッター、Instagramでも共有することが可能だ。

【LINEのスタンプ事業】
 英ガーディアン紙は、アプリがLINEのバイラルマーケティングツールとなる、と見ている。LINEは2013年、推定3億3800万ドル(344億7500万円)の収益を上げており、その20%の6760万ドル(68億9500万円)は、デザイナースタンプやディズニー、サンリオなどのスタンプの売上となっている。今回のアプリ内でも今後、キャラクター販売を始める可能性が高い、と予測した。

 LINEは日本を始めとするアジア諸国で人気だが、今後欧米地域への進出を狙っている。LINE幹部は4月、2015年内の10億人突破目標前に、2014年までに6億人を目指していると発表した。一方で、LINEは登録ユーザー数しか公表していないため、実際の利用者数は不明だ。

【欧米進出のカギ】
 ガーディアン紙によると、ブランドスタンプがLINE欧米進出のカギを握っており、LINEは地域ごとの特色を考慮したブランドスタンプを配信している。例えばスペインではバルセロナやレアルマドリードなどのサッカークラブチーム、テニス選手ラファエル・ナダル氏のスタンプを揃えている。

 2013年10月にはミュージシャンのポール・マッカートニー氏のLINE公式アカウントが登場し、無料スタンプを配信、900万人以上のサポーターがアプリに登録したという。Facebook(570万人)とツィッター(190万人)両方のサポーター数を超えるなど、ブランドスタンプの影響が顕著に現れる一例となった。

【海外の反応は】
 『Poket-lint』では、写真を当てはめながらフレームを選べないのが残念だが、無料で楽しめると評価している。「簡単にできて子どもうけすること間違いない」、と報じた。

 今後、欧米進出の基盤を築くことができるのか海外メディアは注目している。

LINEでビジネスとコミュニケーションを加速する方法 [amazon]

Text by NewSphere 編集部