男女間の友情、“日本では”成立しにくい? 永遠のテーマをめぐり海外ユーザーが議論
男女間の友情は存在するのか。大手ソーシャルサイト『レディット』には、日本で男女間の友情は存在しないのか、という疑問に対して多くのコメントが寄せられている。
【社会のステレオタイプとプレッシャー】
『レディット』の投稿では、日本の文化や女性に対する社会的なプレッシャーに触れているものがあった。自国では当然であることが、日本ではどう考えれば良いのか戸惑う声が多く聞かれた。
・アメリカに比べて男女間の友情は少ないと思う。
・日本の女性は周囲の視線を気にして、男性と一対一でいるところを見られると性的な関係があると思われると信じている。日本人で“人になんて思われようと気にしない”という人はあまりいない。
・何人かのグループ内の女性と気が合って一対一で会おうとしても、女性はそれを避ける。
・存在しないということはないが、噂や社会的なプレッシャーがあることは確か。
・彼女がいるのに異性の友人と今まで通り付き合って良いのかどうか。
・西洋に比べて日本では恋人関係にない男女が交際することは珍しいので、交際すればどちらかまたは周囲がデートだと思うのも無理はない。日本人のコミュニケーション方法を考えても事態が複雑になることは想像に難くない。
・町で見かける外国人と日本人の組み合わせだと、自分に照らし合わせて友人かもしれないと思うが、日本人同士の男女を見るとカップルだと思ってしまう。
・日本男性と結婚しているがお互いに異性の友人との付き合いを続けている。周囲からは結婚しているのにどうして別の男性と遊んでいるのか、とか昨夜バーでご主人が誰だれと…などと良く言われる。
文化における価値観の違いに関しては、友情の始めに文化の違いを話題に出してお互いの価値観を確認しておくべき、という投稿もあった。
【失敗例と成功例】
また、『レディット』に寄せられた他の投稿では、お互いの気持ちにずれが生じて友情が壊れたというものが多かった。
・プラトニックな関係は難しい。女の子との友情はどちらかが恋愛意識を持ったことによって終わったことが多い
・こちらがデートのつもりがなくても相手はその気になってしまうことが多い。
一方で、当然日本人も男女の友情を維持できるという声も多かった。
・高校のときから何人も交換留学生で来ていた異性の友達がいる。
・親友は女性だし、その親友にもたくさん異性の友達がいる。
・男女間の友情が存在しないなんてばかばかしい。
【男女の友情に関する研究】
男女間の友情に関する問題は、世界共通のテーマであり、世界各地で様々な研究が行われている。
英テレグラフ紙は、カーディフ大学エマ・レノルド教授が英国児童愛護会との共同で行ったリサーチを取り上げた。10~12歳までの子どもを対象にインタビューしたところ、幼い頃からすでに社会における性的ステレオタイプのプレッシャーを感じており、恋愛感情抜きに仲良くなるのは難しいことがわかった。特に女の子はそれが顕著だった。
一方で、男女間の友情は成立すると唱える学者も存在する。女性ファッション誌『コスモポリタン』では、女性の立ち位置から男女間の友情を維持するための秘訣を紹介している。社会心理学者ディーナ・マクミラン氏によると、男女間の友情を維持する秘訣は兄弟のようであることだと言う。相手の男性の前で素のままの自分でいられないようであれば、友情だけではない気持ちがあるということ。あくまでも友人に徹したいのか、別の気持ちがあるのか、自分の気持ちを明確に把握しておくことが重要だと、指摘した。
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