日本の家庭用ゲームは“死んだ”? Wii UとPS4の販売不振を海外メディアが指摘

 日本のゲーム業界について、海外のゲーム情報メディアが相反するタイトルで記事を掲載した。『The Motley Fool』の4月12日付は「日本では家庭用ゲームは終わった」である。一方、『GAMESPOT』の3月28日付記事は「マイクロソフト曰く、日本での家庭用ゲームは終わっていない」となっている。

【『PS4』の売れ行きから見る悲観論】
 『The Motley Fool』は日本の家庭用ゲーム業界の不調を取り上げる。「任天堂の『Wii U』が歴史に残るような失敗であり、マイクロソフトのやり方は見当外れである。ソニーの『PS4』発売は悲観的な状況を変化させ得たが、発売から2ヶ月弱経った今ではそれも否定される」、というのがその見解だ。

 記事では、「ソニーはいまだにPS3の間違いのツケを支払っている」として、次のように分析している。

 魅力的なタイトルがないことが問題だ。『PS3』以来の開発の難しさと、高解像度グラフィックやオンラインフィーチャーの重要性に呼応して吊り上がった予算のために、中堅企業がモバイルゲームに主軸を移していることがその原因である。

 『PS4』の週当たりの販売台数は、発売7週目にして前週の23,000台から13,000台に下降している。『PS4』の救世主となり得るいくつかのタイトルは、西洋の好みに合わせて変化し、北アメリカとヨーロッパでの売上で元を取ろうとしている。ソニーか任天堂が現実味のある家庭用コンソールを開発できなければ、開発企業のモバイルへの移行は早まるだけだろう。

【楽観論のマイクロソフト】
 それに先立って『GAMESPOT』は、日本の著名なゲーム開発者、小島秀夫氏がゲーム界の現状を嘆いていると伝えつつも、マイクロソフト社のXBox事業部のトップであるスペンサー氏の、それとは反する見解を報じている。

 スペンサー氏は日本の現状については楽観的であり、日本のゲームプレーヤーが減っているという見方を否定し、日本人ではなくとも日本のゲームを知っている者としては「日本の家庭用ゲームが終わったとは考えない」と述べている。

 また、マイクロソフト社にとって日本市場は重要であると強調し、日本の開発者コミュニティに投資を続け、偉大なゲームの出現を待ち受けるとの姿勢を示している。日本での『XBox One』発売は来たる9月だが、現時点で独自のゲームを日本で開発中だともコメントしている。

【一般読者の見解】
 『GAMESPOT』の読者コメント欄では、「日本で終わったのは『XBox』だけで、家庭用ゲームは終わってはいない」という意見が目立つ。他にも次のようなコメントがある。

・もしソニーと任天堂が苦戦してるなら、マイクロソフトが全部アメリカ製の製品で日本の心をつかむと保証されてるね。

・ハハハ、「全部アメリカ製の製品」ね、『XBox 360』を開けてみたことがあるけど、部品の半分はフォックスコンで半分は東芝だった、その全部が中国製。

・まだ終わってないなら『タイタンフォール』(XBox用ゲームタイトル)がとどめを刺すさ。

・この記事のトピックにもかかわらず、日本製のゲームの質は下がっていて、ヨーロッパ/北アメリカのゲームデザイナーは成功に向けてステップアップしてきたと断言できる。

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Text by NewSphere 編集部