“日本語話せない”米女優、朝ドラヒロインに選ばれた理由とは? ストーリーとの重なりに海外も注目
NHKは2014年秋の朝の連続テレビ小説「マッサン」のヒロインに初めて外国人を起用すると発表した。国内外合わせて約500人の中から選ばれたのはシャーロット・ケイト・フォックスさん。「マッサン」のストーリー、ヒロインの横顔を紹介する。
【「マッサン」とはどんなドラマ?】
「マッサン」は日本のウイスキーの誕生を支えた竹鶴政孝とその妻、英国人のリタをモデルにしたドラマ。主人公の亀山政春役を俳優の玉山鉄二さん、その妻のエリー役をフォックスさんが演じる。主人公のモデルとなった2人について海外メディアは次のように紹介している。1918年竹鶴政孝はグラスゴーに渡りウイスキーの醸造を学んだ。そこでリタに出会い、1920年に結婚。国産ウイスキーの製造を夢見て1921年に夫婦で日本に帰国。多くの困難を経て北海道にニッカウイスキーとして知られる醸造会社を設立した。
ドラマはこの2人を基にしたフィクションになると発表されている。リタの出身地であるスコットランドのザ・ヘラルド紙はプロデューサーの話として、ドラマでは実際のストーリーには必ずしもこだわらずフィクションを交え、ユーモアにあふれた話になっている、と「マッサン」を紹介している。
【シャーロット・ケイト・フォックスさんの横顔】
シャーロット・ケイト・フォックスさんは米国人、28歳、ニューメキシコ州出身。テレビドラマの経験はなく、アメリカでは主に舞台や映画に出演した。祖母はスコットランド人。各紙はフォックスさんのNHKでの記者会見での「とても名誉なことで、信じられない」との言葉を報じている。
さらにウォール・ストリート・ジャーナル紙(以下、ウォール紙)では主人公役の玉山さんの挨拶「フォックスさんが日本の経験がないこととエリーは重なる部分がある。ヒロインは日本文化、日本語などのさまざまな壁を乗り越えていく。これはフォックスさんがこれから撮影中に感じる言葉の壁、撮影方法の違いと同じ。これを支えていく」もあわせて報じている。また同紙はフォックスさんの起用について、外国人で日本語が話せないことは障害にならなかったとした。一方で、スコットランド系女性を米国人女性が演じることについては、フォックスさんにとっては大きなチャレンジになるとしている。
【フォックスさんは日本の国民的名優になりうるか】
フォックスさんの起用について、ウォール紙には「彼女が日本人でないこと以上に興味深いのは、彼女が無名であるということだ。実在の人物リタと似ていたから選ばれたのか?」とのコメント、「ジャパン・タイムズ」には「失望した。スコットランド女性を演じるのに、なぜ米国人女優なんだ。スコットランド英語はイギリス英語、アメリカ英語とは違う。これは沖縄弁が標準語と違うようなものだ。スコットランド人を選ぶべきだった」といった意見が寄せられている。それに対し国内メディアはフォックスさんについて「日本語の細かなニュアンスまで短期間に身につけ表現するなど、演技力に圧倒された」と好意的な報道が多い。
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