“スカイプでカラオケ”が世界で人気!? 日本と異なり、思わぬ出会いやアクシデントがポイント

 オンラインでカラオケができるプロジェクト「GLTI.CH karaoke」が海外で話題を呼んでいる。自分の作品を投稿するだけでなく、他の作品に自分のアレンジを加えることもできるなど、機能は増えてきている。

【「GLTI.CH karaoke」誕生の経緯】
「GLTI.CH karaoke」は、スカイプやフェイスブックを利用して、異なる場所にいる歌手やDJを同期し、イベントを手掛ける。

 音楽情報サイト『noisey』によると、Kyoung Kim氏、Daniel Rourke氏という2人のアーティストが、思いつきで始めたのがきっかけだったという。

 アメリカやイギリスのカラオケでは、ステージでスポットライトを浴びて歌う。個室で友人と飲食を楽しみながら歌うこと自体を楽しむ、日本や韓国とは異なる。これが発想の原点であるとKim氏はnoiseyに語った。それまで誰も“スカイプでカラオケ”することにネーミングしていなかったことに驚き、ネット上で2つの場所をつなげてカラオケをするというアイディアに可能性を見出した、とRourke氏は話す。

【「GLTI.CH karaoke」可能性と魅力】
 Rourke氏は、単純な仕組みでどれだけバラエティーに富んだ作品ができるかということが、プロジェクトの最も面白い点だと指摘する。

 同氏は“social glitch”という考えがプロジェクトの中核となると言及している。これは“予期せぬ望ましい結果”のことだ。いつどんな形で起こるかはまったく予想できないが、思わぬアクシデントを楽しむことがポイントのようだ。

 同氏は例として、マンチェスターのパブで世界中のユーザーとカラオケイベントをしたときのことを挙げている。イベントが盛り上がりを見せる中、マンチェスターのコンピューターがクラッシュ・再起動。それでも他の国のユーザーたちは歌い続けていた。マンチェスターの客たちは大喝采し、再び音楽が流れる前に、即興のアカペラで歌い始めたという。素晴らしい瞬間だったと、同氏は振り返る。

【海外で広がるオンラインカラオケ】
 技術情報サイト『ベンチャービート』は、同様のサービスを提供し始めたミュージックアプリメーカーSmuleを取り上げている。ネット上でカラオケ作品をアップロード、共有するサービスを提供し、すでに同社のアプリをダウンロードしたユーザーを持続的に惹きつける狙いだ。新しい歌やアーティストを発見できることも魅力だという。

 またフィリピンのニュースサイト『INQUIRER.net』は、フィリピン拠点のオンラインカラオケサイト『RisingStars』との提携を発表した。登録すれば、他のユーザーの作品を視聴、投票、コメント、他のユーザーと競い合うこともできる。ミュージックライブラリーやレコーディングスタジオと同様に、歌を選び、練習、録音、編集、音響効果の設定、音程の補正を、オンライン上で行えるという。

 同サイトは、2012年の立ち上げ以来、オンラインのスタジオブースを利用し主要都市でカラオケ大会を開催するなど、精力的に活動。フィリピンの歌手を後押ししてきた。

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Text by NewSphere 編集部