1つのポケモンを8万人が同時プレイ!?仕掛け人“もっと協力しないとクリアは無理”
任天堂のゲーム、「ポケットモンスター」を大勢のプレイヤーが同時に操作してクリアを目指すという試みが、ゲーム共有サイト「Twitch(ツウィッチ)」で進行中だと複数の海外サイトが報じている。当該ページの訪問者は既に1500万人近く、55万人以上がゲームに参加、最大では同時に8万人以上がプレイしていたという。
【新しいパターンの多人数ゲームプレイ】
ある匿名のTwitchユーザーがこの「社会的実験」を仕掛けた。USAトゥデイによると、Twitchのある運営者は「今までこのようなものは見たことがない」とコメントしている。「真に興味深いのは、これが全てコミュニティによって行われ、組織的に成長している新しい動きだということだ。我々がやったのではない。我々がこれを創造したのではない。これは全て一人のTwitchブロードキャスターと、呼応したコミュニティによる創造なのだ。」
Twitchのゲーム画面の隣にはチャットが設置されており、ここにコマンドを入力することで、ゲーム機のボタン操作と同様の効果がある。例えば「UP」と入力すれば主人公は上へ行き、「DOWN」と入れれば下がる。最初の数日間には目的であるポケモンの捕獲に多少は成功したものの、同時に操作する人数が増えるに従い、主人公の動きは結果的におかしなものになっている、とCNNは報告している。同じ地点を行き来し、壁に突っ込み、相当な頻度で所持品をチェックしていたそうだ。
【ゲームモードの導入によるプレイヤーの変化】
数日後、ゲームの創設者によって新しく2つのモードが追加された。「アナーキー(無政府状態)」及び「デモクラシー(民主主義)」だ。初期状態ではアナーキーモードに設定されているが、75%以上のプレイヤーがデモクラシーを選択することでモードが切り替わり、主人公の行動は20秒毎の多数決で選択されるようになる。アナーキーモードに戻すには、同じく75%の投票を必要とする。画面上のグラフによって、それぞれのモードの票獲得割合がリアルタイムでわかるようになっている。
デモクラシーモードが導入されたことで、遅々とした歩みにユーモアを見出す者と素早いクリアを目指す者との間の模擬戦争状態となった、とCNETは伝えている。大手掲示板レディットの専用スレッドには、「我々は未だに Celadon City、ギャンブルと買物の街の辺りを彷徨っているようだ……チャットは、最終目的よりも、むしろアナーキーとデモクラシーとの戦いに興をそそられているようだ」との書き込みがあるそうだ。
【このゲームはクリアされ得るのか?】
CNETは、プレイヤーがデモクラシーモードを活用して成功を収める様を紹介しつつ、問題はどちらのモードが勝つかということではなく、どの程度まで進めることができるかだ、と分析する。一つの目標に向けて順番に使われた場合、どちらも有効であることは既に証明されている。現在ゲームは中盤までクリアされているが、後半はさらに難しい。CNNによると、創設者はゲーム内の「四天王」を倒せたら成功とみなせると考えつつも、「けれども、もっとしっかり協力できなければ無理ではないかと思う」とコメントしている。