海外メディアが森元首相の失言を批判 “日本人はなぜ東京五輪トップに選んだ?”
ソチ五輪のフィギュアスケート女子フリーが20日夜(日本時間21日未明)に行われ、日本の浅田真央選手は見事トリプルアクセルを決めて、合計198.22点をマークし6位入賞を果たした。
2010年のバンクーバー五輪では銀メダルを獲得したほか、過去2回世界チャンピオンとなったこともある浅田選手だが、8日に行われた団体戦ではトリプルアクセルに失敗して転倒、日本は5位に終わっていた。19日に始まったショートプログラムでも冒頭のトリプルアクセルで転倒して16位でのスタートとなっていただけに、メダルこそ取れなかったものの、見事に踊りきった浅田選手の演技は日本中を深い感動に包んだ。
演技後のインタビューで浅田選手は、「できるって思ってやって…。これが自分がやろうと思っていた構成なので、良かったです」と語ったとAP通信は伝えている。
【森元首相の発言】
そんな浅田選手の演技を東京五輪組織委員会会長である森喜朗元首相が批判した発言が、海外でも話題になっている。20日午後に行った講演で森元首相が、「あの子、大事なときには必ず転ぶんですね」と述べたというのだ。
森元首相は「日本は団体戦に出なければよかった。浅田さんには転んだ心の傷が残っていた」と語ったと海外メディアは伝える。また、森元首相はキャシー・リードとクリス・リードのペアについても、「兄弟はアメリカに住んでいるんですよ。(米国代表として)オリンピックに出る実力がなかったから、帰化させて日本の選手団として出している」と語ったという。
【海外メディアの反応】
この発言に対してUSAトゥディは、おそらく森元首相は憂さ晴らしがしたかっただけだろう。日本がメダル獲得競争で優位に立てないでいるからだと述べている。
AP通信は、森氏は首相在職中も異論含みの発言を行うことで有名だったとし、森氏が東京五輪組織委員会会長に指名された際にも、76歳の首相経験者では歳を取り過ぎだという評論家の声があったことを紹介している。
CBSスポーツは、オリンピック精神に則って正々堂々と競技を行うアスリートたちの努力と犠牲を正当に評価すべき五輪組織委員会会長としてあるまじき発言であり、銀メダリストを叱ってはならないと述べる。さらに同紙は、森氏のような人物を、世界からの代表を東京に迎える10億ドルのプロジェクトのリーダーに選んだのは、実に分別ある選択だったようだと辛らつにコメントしている。