ソチ五輪間近 “レジェンド”葛西選手と“ホープ”高梨沙羅選手に、海外メディア注目
冬季五輪の新種目として、女子スキージャンプが11日にソチ大会で行われる。
金メダル候補の大本命は日本の高梨沙羅選手で、世界のメディアも注目している。高梨は今季のワールドカップ(W杯)で13戦中10勝し、シーズンの最多優勝記録を更新。先月、世界ジュニア選手権でも優勝を果たしている。
【ウォール紙、17歳の高梨と、レジェンド葛西紀明に注目】
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、高梨を「日本のホープ」と紹介。「飛距離を伸ばすため、空中でベストな位置へ素早く移動する高梨の能力は比類ない」という専門家の見解を紹介した。
また、先月W杯で最年長優勝を果たした、41歳の葛西紀明選手にも、同紙は注目。ジャンプの本場ヨーロッパでは「カミカゼ・カサイ」の異名を持つ、ジャンパー界の「レジェンド」と紹介した。
【女子スキージャンプ五輪入りまでの苦難の経緯】
ワシントン・ポスト紙は、女子スキージャンプの五輪競技入りに貢献した、ソチ五輪アメリカ女子代表のジェシカ・ジェローム選手について紹介。ソチ大会は、国際オリンピック委員会(IOC)が掲げる男女平等への取り組みの例となると報じた。
IOCは1991年、五輪競技は女子と男子で実施すべきと言及。しかしスキージャンプには、そのルールは適用されてこなかった。IOC委員であり、国際スキー連盟(FIS)会長のジャン・フランコ・カスパー氏は、「ジャンプ着地の度重なる衝撃で女性の生殖器官が損傷するおそれ」があると、医学的見地から女性スキージャンプの競技入りに反対してきたという。
そこでジェロームらは2008年、カナダの法廷で差別訴訟を提起し、勝訴。2010年のバンクーバー五輪には適用されなかったが、ソチ五輪での競技入り結果につながった
ジェロームは念願の五輪デビューを前に、「五輪入りは最初の一歩。ここからやり続けるだけ」と語ったという。
【世界の注目選手】
またデジタル・ジャーナルは、高梨のほか、フィギュアのキム・ヨナ選手、アルペンスキーのミカエラ・シフリン選手に注目。彼女らの優雅さとパワーは、メダル数11個の記録を持つノルウェーのバイアスロン選手、オーレ・アイナル・ビョルンダーレン氏をしのぐと報じた。