ツッコミどころ多々 海外の「日本のウェブデザインは奇妙」論
設計やデザインが上手なはずの日本人が作ったウェブサイトはなぜこんなに見づらいのか――。小さな文字や解像度の低い画像、目がチカチカしてしまうような色使い、過去の技術であるはずのFLASH多用など、海外のネットユーザーから見ると日本のウェブサイトは極めて独特で奇妙に映るらしい。
ウェブサイトのデザインは各国および各言語で大きく異なる。例えば中国本土のウェブサイトと台湾のウェブサイトは同じ中国語圏と言えども、やはりデザインは大きく違っている。
東京在住の英国人技術者のブログ「Randomwire」によれば、日本のウェブデザインが世界的に見て独特な理由は、言語・文化・技術という3つの要因から分析することができるという。
【言語の違い】
日本語は漢字、ひらがな、カタカナの3種類の文字で表記され、26文字のアルファベットで表記される英語などに比べて複雑だ。英語圏のユーザーから見た場合、日本のウェブサイトの文章は「斜体」などによる「強調」が少ないため、どの箇所が重要なのかひと目でわからないという。
【文化の違い】
日本人は集団との同化を好み、人と異なることを嫌う傾向にあるため、「リスクを避けて似たり寄ったりのページを作ってしまうのでは」と筆者は指摘している。
また、日本企業のウェブサイトに対する考え方も、わかりづらいサイトになってしまう一因だという。日本企業はウェブサイトを「広告」や「宣伝」のためのプラットフォームと考える傾向があり、「ユーザーとの交流を行うプラットフォーム」という本質を忘れてしまっていると指摘する。
【技術的な違い】
日本ではスマートフォンの登場前から、フィーチャーフォンでのネット接続が普及していた。筆者は「フィーチャーフォンの小さなスクリーンに合わせたデザインでも多くの情報を伝えられるよう設計された結果、日本のウェブサイトは情報過多になってしまった可能性がある」と分析した。
筆者は楽天などのサイトを上記の例として挙げる一方、クックパッドなど「美しく機能的」なサイトも一部あるとして、期待を示した。
【世界最悪のウェブサイトと酷評も】
デザインだけでなく、日本のウェブマーケティングに対する海外からの批判もみられる。2020年五輪の開催地は東京に決定したが、招致活動のための特別サイトにドラえもんが起用され、米国の著名なマーケッターであるデビット・ミーアマン・スコット氏が「世界最悪のウェブサイト」と酷評し、話題になったことは記憶に新しい。
デビット氏は、サイトの英語版で使われている言葉は陳腐で、「まったく意味が伝わってこない文章」だったと酷評。五輪招致に、子供向けキャラクターのドラえもんを起用した点にも疑問を呈し、ターゲット視点の欠如を指摘していた。