スペイン版「初音ミク」・・・? バーチャル歌手「ONA」デビューへ

スペインのバーチャル歌手「ONA」(画像あり)
 9月20日から24日にかけて開催されるスペインの伝統的祭典「ラ・メルセ祭」に、バーチャル歌手が登場する。

 このバーチャル歌手の名前は「ONA」。祭典の中でバーチャルコンサートを開き、ツイッターを介して寄せられた歌詞を歌い上げる予定だという。企画ディレクターは、「我々の新しいモーツァルト」と自信を示している。

 ONAは、特定のハッシュタグが付加されたツイートを、シウタデリャ公園の特設ステージで、メロディーに合わせて歌ってくれる。なお、タグは、#onaestiu(夏)、#onafesta(祭)、#onaciutat(都市)、#onafutur(未来)の4つだ。

【スペインの初音ミク・・・?】
 スペインでは既に、ヤマハのVOCALOID技術を活用し、ブルーノとクララというバーチャル歌手が商品化されている。スペイン語のボーカロイドとしては世界初だ。

 ONAの製作開発にあたったのも、ブルーノとクララを開発したVOCTORLabs(バルセロナのポンペウ・ファブラ大学の研究室からスピンオフの形で2011年に設立)である。

 日本では、「初音ミク」などのボーカロイドが、若い世代を中心に人気を集めている。

【ONA誕生の背景】
 ではなぜ、ONAが新たに登場することになったのか。ここで今回のラ・メルセのテーマが注目される。

 ラ・メルセ祭といえば、秋の到来と共に開催されるバルセロナ最大規模の祭典だ。パレード・民族舞踊など文化・宗教的イベントが繰り広げられる伝統的なスタイルは、19世紀以降継承されている。

 こうした伝統的な祭典ではあるが、バルセロナ文化協会は「最新技術と伝統の融合」を掲げ、一貫したプログラム構成であることを強調。そのうえで、フェイスブックやツイッター、LINEを活用するとともに、テーマを象徴するものとして、ONAを企画したという。

 なお4月3日、LINE株式会社は、スペイン国内でのLINE登録ユーザーが1,000万人を突破したことを発表した。日本以外でユーザー数が1,000万を突破したのは、欧州ではスペインが初めてであった。

 LINEも含め、今回登場するONAは、欧州の伝統的なイベントにも日本のサービス・テクノロジーが導入されていく現況を示しているといえよう。

Text by NewSphere 編集部