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中国が日本を抜いてアジア最大のハイテク輸出国に データが示す急速な輸出構造の変化

  • カテゴリー:経済
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中国が日本を抜いてアジア最大のハイテク輸出国に データが示す急速な輸出構造の変化

 アジアにおいて、ハイテク製品といえば日本――というイメージは、もう実態にそぐわなくなっているのかもしれない。それを示唆するデータを、アジア開発銀行(ADB)が8日、明らかにした。それによれば、2000年時点では、ハイテク製品輸出で日本がアジアのトップだったが、2014年にはシェアを大きく落としていた。反対に、著しい伸びを見せたのが中国で、2014年には日本に代わってトップに立っている。中国はアジアのハイテク製品輸出における日本の支配的地位を終わらせていた、とブルームバーグは報じた。

◆ハイテク製品で日本の後退、中国の台頭
 ADBは8日、アジア経済統合の現状に関する報告書を発表した。その中で、輸出製品の技術レベルをハイテクからローテクまで4段階に分類し、それぞれについて、アジア全体の輸出に各国が占めるシェアを明らかにした。またその4分類に基づき、それぞれの国の輸出構成比を示した。

 国別シェアの表の中で最も目を引くのは、ハイテク製品での中国のシェアが、2000年から2014年の間に、9.4%から43.7%へと大幅に拡大していることだ(なお、この表では、1996年、2000年、2014年時点でのシェアが示されている)。その半面、日本は25.5%から7.7%へとシェアを落としている。

 ハイテク製品のシェアが急激に伸びたことについて、ブルームバーグは、中国が自国経済の最重要の推進力として、イノベーションとテクノロジーを強化する点で成功していることを示している、と伝えている。

◆2000年以降市場シェアを大きく奪い続けてきた中国
 ADBの報告書の4分類について詳しく見てみよう。それぞれのレベルには次のような製品がカテゴライズされている。

ハイテク:航空機、宇宙船、医薬品、事務機器、電気通信機器、医療機器、精密機器など。(注・コンピューターや携帯電話はこちらに含まれる)
中程度ハイテク:電気機器、自動車、医薬品以外の化学製品、鉄道設備、その他の機械・設備など。(家電)
中程度ローテク:船舶、ボート、ゴム製品、プラスチック製品、石油製品、その他の非金属鉱物製品、卑金属など
ローテク:リサイクル、木材製品、パルプ・紙製品、食品、飲料、繊維製品など

 これらは、研究開発費を売上高で割った研究開発集約度によって分類されている。そのため、売上規模が大きな自動車などは中程度ハイテク製品に分類されている。

 2000年時点では日本がトップだったが2014年では中国に追いこされているというパターンは、ハイテク製品だけではなかった。中程度ハイテク、中程度ローテク製品のシェアでもそうだった。

 ローテク製品では、中国がもともとトップだったが、2014年には55.4%と他を圧倒するシェアを獲得している。

 つまり、2014年には4分類全てで中国がアジアのトップに立っている。アジア全体の製品輸出に占める中国のシェアは2000年から2014年の間に急激に伸びており、フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、この変化はハイテク製品において最も印象的だと報じている。

 またFTは、中国の輸出企業は、地域の競争相手から市場シェアを奪い続けてきたが、中でも熱望されるハイテク製品部門においてそうだと語っている。そして、中国の市場シェア拡大の大部分は日本の犠牲のもとで起こったものだと語り、日本から奪ったものだという見方を示した。

◆日中の輸出産業の構造はどう変化したか
 次に、各国の輸出内訳について見てみよう。

 日本の場合、1990年、2000年、2014年時点でのデータが示されている表(一部の国を除く)によると、全期間を通じて、中程度ハイテク製品が輸出の最も大きな割合を占めていた。2014年には54.1%までも占めていた。中程度ハイテク製品に自動車や家電が含まれていることを考えれば、これはうなずけるものだ。その一方、2000年には31.7%を占めていたハイテク製品が、2014年には18.5%となっている。

 中国は、1992年時点では、ローテク製品が全体の54.3%と、最も大きな割合を占めていた。それが2014年となると、ハイテク製品が30.6%と最も大きな割合になっている。中国の輸出産業の構造が、この間に大きな変化を遂げていたことが分かる。

 この報告書の作成の中心人物、ADBチーフエコノミストの魏尚進氏はブルームバーグに、中国製ドローン、スマートフォン、さらには高速鉄道さえも国際的に競争力を持つようになっていること、中国のハイテク製造業企業の数は、2000年には1万社未満だったが、現在3万社近くまで増えていることをメールで語った。

 またテック・ノードは、ハイテク分野のいくつかの中国ブランドは、この2年間で世界的成功を収めていると語る。ドローン製造のDJIや、スマートフォン製造のOnePlus、シャオミといった名前を挙げている。

◆中国が真のイノベーションを生むのはこれから?
 中国のハイテク製品の輸出シェアは大幅に拡大したが、その内実や将来性はどうだろうか。

 魏氏はブルームバーグに、「いくつかの産業での成功のしるしを目にしつつある」、「しかし中国はまだアメリカやドイツのようなテクノロジーの世界的リーダーではない。私たちが目にしつつあるのは、中国が『並の技術』製品で迅速に追いつき、独自のイノベーションを生み出し始めているということだ」と語っている。

 これを深読みすれば、これまでの中国は、かつての高度成長期の日本のように、技術先進国に「追いつけ、追い越せ」と、主に模倣によって製品を送り出していた段階といえそうだ。

 逆にいえば、まだ伸びしろがあるということでもある。HSBCホールディングスのアジア経済調査共同責任者、フレデリック・ニューマン氏はブルームバーグに、「中国は、まだ多くの重要部品を他国から輸入してはいるものの、国内でのハイテク製品製造にますます進出している」、「中国には高度な技能を持つ労働者がいて、高い競争力を備えつつある」と語っている。

 テック・ノードは、中国ではますます多くの企業が、本土でより多くの中核的ハイテク製品を製造することを競ってはいるけれども、いまだに、半導体技術を含め、製造のためのハイテク製品を多数輸入している、と語っている。こちらでは工作機械なども念頭に置かれているのかもしれない。

(田所秀徳)

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