日本人の魚消費量、マレーシア以下に “長寿の秘訣”がなぜ? 海外紙報道
世界でも長寿を誇る日本の食生活に、海外が注目を寄せている。海外メディアは、野菜と魚が中心の食事が健康と長寿の秘訣と見ている。
【海外との比較】
『Daily Mail』によると、イギリス人は魚を1週間に1度食べるか食べないかなのに対して、日本人は1日80gから100gの魚を食べる。イギリス人の肥満率は約4分の1で、日本人は3.5%に留まる。乳がん、前立腺がん、心臓病の割合もイギリスに比べて低い。専門家は低脂肪の食物と、果物や野菜の豊富な食事が要因になっていると見ている。
『NY1』(ニュー・ヨーク・ワン)では、日本の食生活は変化しても魚と新鮮な野菜は基本の食材、と報じている。平均的な日本人は平均的なアメリカ人のおよそ倍の海の幸を消費しているという。また、「野菜を食べることで体調を調え、肉や魚の消化と吸収を助ける」、と築地政義青果の近藤義春社長は話す。
【海藻と鮨】
『Daily Mail』では、海藻と鮨を食べることが健康と長寿の秘訣と報じている。海藻には、病気と闘う抗酸化物質が多く含まれていて、体重を減らす効果もある。ニューカッスル大学の科学者たちは、海藻に含まれるアルギン酸塩が脂肪の吸収を抑制すると発表した。アルギン酸塩の摂取量を4倍に増やすと脂肪吸収を最高で75%まで抑えることがわかったという。
また鮨には、脳や心臓の健康に役立つオメガ3脂肪酸が豊富に含まれる。沖縄国際大学のクレイグ・ウィルコックス教授は、「鮨はオメガ3脂肪酸が豊富なだけでなく、飽和脂肪を伴わずにプロテインが摂取できる」、と指摘する。研究の結果、魚を始めとする海の幸を食べることで心臓病の確率が下がることが明らかになった。日本人男性は喫煙量が多い場合でも、血圧が同程度のアメリカ人に比べて動脈のコレステロールが少なかった。魚の多い食生活は、動脈硬化を予防する可能性がある、とした。
【魚の消費量】
UNの「INFOFISH」によると、マレーシア人の年間の魚消費量は1人につき最低56.5㎏と、意外にも日本より高い。マレーシアの一般家庭では、月にRM100(約3160円)ほど魚に使っていて、牛肉や鶏肉に比べても消費量が多いという。主に好まれているのは鯖、えび、いか、なまずなど。近年は輸入品、高価な鱈や鮭、ムール貝などの消費も増えており、マレーシアの魚輸入の価格を上げている。
調査の結果では、マレーシアでは37%の消費者が日常的に魚などの海の幸を食べ、54%が週に1回から3回魚を食べることもわかった。回答者の半数が毎回の買い物でRM20(630円)からRM50(1570円)を魚に使い、23%がRM25(780円)以下に留まった。一方で、今後マレーシアの魚の需要は、人口増加の停滞とともに低迷すると見られている。
NewSphere編集部 |