「日本経済が世界の懸念材料」 米財務長官がG20へ書簡、海外主要メディアも注目

 ルー米財務長官は22日からオーストラリアで開かれるG20=主要20カ国財務省・中央銀行総裁会議を前に参加各国に書簡を送り、「日本経済を支えてきた内需にかげりが見える。日本は経済構造改革を行い、国内市場の補強を図り、4月に実施される消費税引き上げの影響を抑えるべきだ」との考えを示した。

【日本経済に懸念】
 ルー長官のこの書簡について、各国メディアは、ルー長官が日本経済に対する懸念を示したことに言及している。ロイターは、ルー長官がG20で日本の今後の政策について意見を交わしたい旨の発言をしたとし、G20での日本の発言にルー長官が注目していることを強調している。

 MSN産経ニュースは「アベノミクス」の3本の矢にもルー長官は言及したとして、これを調整し引き続き内需主導型で景気回復を図るべきだとの同長官の意見を紹介している。

【その他の懸念材料】
 その他の懸念材料として、各国メディアがルー長官の発言から取り上げているものに、新興国を中心とした金融市場の不安定さがある。ロイターでは「新興国の株価、通貨市場は米国の刺激策、景気回復の足取りが弱いことに影響され、激しく上下している」との同長官の意見を掲載している。加えてブルームバーグでは中国経済に対する懸念も不安材料のひとつとして長官が挙げたとしている。

 また、アメリカ経済についてはルー長官は自信をのぞかせ、「今年は弾みがつくだろう」と期待を示したとブルームバーグでは言及したが、一方で米国議会が IMF改革にむけ必要な米国拠出金つけ替えを承認しなかったことについて、ロイターとブルーグバーグではルー長官は批判したとしており、「このことについてG20では真摯に耳を傾ける」との同長官の声も掲載している。

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Text by NewSphere 編集部