PS4、なぜ日本市場だけ苦戦? ゲーム機市場の変化に海外メディア注目
4日、ゲーム調査専門会社『メディアクリエイト』は、国内家庭用ゲーム機の売上台数週間ランキング(6月23日~6月29日)を発表した。
トップはニンテンドー3DS LLで22,803台、2位はPS Vitaで22,192台、3位はWii Uで10,653台、4位がPS4で8,059台だった。PS4は、5位のPS3(7,480台)にわずか579台差だった。
今年2月に発売されたPS4は、初週で32万台以上販売された。しかし、その後はほぼ右肩下がりで販売が減少し、ついに1万台を切る結果となった。現在、ファミ通によると、推定累計販売台数は61.4万台だ。
【西欧ではヒットしているのに、日本では苦戦?】
海外のゲームメディアは、売れ行き好調な欧米とは対照的で、意外な結果だと報じている。
海外との違いとして、対応ソフトの品揃えがあげられる。ただ、ソフト売上本数ランキング(6月23日~6月29日)で、PS4のゲームソフト『ウォッチドッグ』が63,595本とヒットしているにも関わらず、ゲーム機本体(PS4)の売上台数にほとんど影響がなかった(投資情報サイト『Motley Fool』より)。
英ゲーム情報サイト『Eurogamer』によると、2014年度上半期の国内ハード市場は706億3000万円で、2013年度上半期の603億9000万円から6.4%増となっている。PS4の影響が大きい。ただ、国内家庭用ゲーム市場全体では、2013年度の約1720億2000万円から0.1%増、約1722億6000万円に留まった。
【戦略を変えたほうがよいのでは】
このパッとしない数字から、戦略を変える必要が浮き彫りになった、と『Motley Fool』は述べている。
背景には、家庭用ゲーム市場の斜陽化が挙げられる。国内市場は2007年の5919億円をピークに年々減少しており、2012年では3958億円となった(GarbageNEWS.comより)。
斜陽化の原因の一つに、スマートフォンやセットトップボックス(STB)などの非ゲーム専用機の台頭がある。『Motley Fool』によると、日本は世界で最も「Google Play」を通じた課金額が多い国だという。アプリ市場調査会社『App Annie』によると、同PDの世界売上ランキングで、日本で人気の「パズドラ」が1位を獲っている。
さらに、アマゾンも4月からSTB「ファイアTV」を発売している。アプリやゲームをダウンロードすることで、ゲーム専用機がなくてもゲームを楽しめるものだ。敵はもはやゲーム機だけでなく、多様なライバルが出現している。ますます困難な時期を迎えるゲーム市場で、PS4の巻き返しが期待される。