ユニクロ、インド進出に意欲 会長がモディ首相と面談 地元紙は“目標1000店鋪出店”と報道

 ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、25日インドでモディ首相と面会し、同社のインド進出への関心を伝えた。柳井会長はモディ首相の他にも、シタラマン商工相やガングワル繊維担当相と対談した。

【資材調達を検討】
 柳井会長はインド政府に対し、同社によるインドでの資材調達や生産を提案したという。アジアのアパレル業トップであるファーストリテイリングは現在中国、ベトナム、バングラデシュ、インドネシアに製造拠点があるが、そこにインドも加わる見込みとロイターは報じている。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙(ウォール紙)の報道によると、柳井会長との対談でモディ首相は衣料業界の強みを強調しており、その内容は綿花の調達や、スキルのある人材、豊富なインフラ、巨大な国内市場、輸出に向く港が多い点などだという。

 同紙によると、インドは150億ドル相当の衣料資材を毎年輸出している。Zara、 GAP、マーク&スペンサー、ラルフ・ローレンなど世界的にメジャーなブランドが商品の一部をインドで製造しているという。

【出店についてはノーコメント】
 ウォール紙によると、今回の対談に関するインド政府側の発表に「ユニクロがインドで店鋪を展開するか」どうかについては含まれていない。

 しかし、同社が資材をインドで調達するとなれば、いずれは店鋪出店も行われるだろうとの見解を同紙は示している。インドでは「資材の30%を地元産業から調達するという条件を満たせば外国の小売業者にインドでの操業を認める」法律が2012年に制定されていると同紙は伝えている。

 この件について、ファーストリテイリングのコメントは得られなかった、とロイターは伝えている。

【1000店鋪展開の意向との噂も】
 インドの地元紙『ザ・タイムズ・オブ・インディア』が独自に入手した情報によると、柳井会長は「インドで1000店鋪展開したい」という意向を既に同政府に伝えているという。

 同紙が匿名の情報筋から得た話では、柳井会長は「我々はインド小売業界への投資を検討しており、1000店鋪を目標としている。だがそれだけの店を開くのは容易ではなく、10年はかかるだろう」と語ったとのことである。店鋪運営へと乗り出す場合、パートナーを探すのか、または子会社による直営にするのかは明らかでないと同紙は伝えている。

 ユニクロはインドへの出店を以前から検討してきたが、計画は遅れていたと同紙は伝える。他にもマーク&スペンサー、IKEA、H&Mなどいくつかの外国アパレルがインドに出店しているが、その多くは慎重な歩みであるという。例えばIKEAは、すでに1年前にインド政府から出店許可を得ているにも関わらず、まだ1号店を開店していないとのことだ。

 インドに参入するとなればまずはその前に連携業者を揃える必要がある。現在ファーストリテイリングは国際的な仕様と基準に対応し得るスケールを備える衣料輸出業者を10社揃えるべくAEPC(インドのアパレル輸出業団体)と折衝中だと同紙は伝えている。情報筋によると、同社は「要請があればインド企業への投資もする可能性もある」と語っているらしい。 


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NewSphere編集部
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Text by NewSphere 編集部