日本の軽自動車が売れるのは国内だけ?“ガラ軽”の世界展開を海外メディア主張

 2014年4月、日本では消費税率が8%に引き上げられた。同時に軽自動車税も上がり、新車を対象に1.5倍の1万800円になった。消費税率引き上げの影響は国内では和らいでいるとされるが、軽自動車税についてはどうか。海外各メディアも日本の軽自動車の販売に注目している。

【軽自動車が国内自動車メーカーの衰退を招くか】
 これまで軽自動車は燃費の良さ、税金の安さ等で日本国内では人気が高かった。ニューヨーク・タイムズ紙によると、昨年は日本で販売された新車のうち40%近くが軽自動車だったという。従来軽自動車の所有者は主婦層が中心だったが、購入層は若者にも広がってきていた。

 しかしその一方で、税率引き上げと共に既存の軽自動車所有者の20%が車を手放すという。税率の引き上げは、低収入の子育て世帯、若者の負担になっている。

 また、軽自動車メーカーのスズキ、ダイハツは今後の売り上げ減少を予測している。

 さらに、軽自動車特有の問題もある。まず軽自動車の販売は国内販売が主である。一例として、ホンダは普通乗用車のシビックの国内販売を中止し、代わりに軽自動車のNBOXの国内販売に力点を置いていたという。

 日本の軽自動車は安全性の観点等から海外での販売は不可能で、このような事情がかえって日本の自動車産業の国際的競争力を弱めているという。

 また、これまでの税制面での優遇措置が国内の自動車産業を海外との競争から守ってきたとして、米国・ドイツなど世界的自動車メーカーを抱える国との間で常に議論の的になってきたとニューヨーク・タイムズ紙では報じている。

【軽自動車の販売は中止すべきか】
 『Jalopnik』によると、将来自動車の販売は世界で1億台に達し、そのターゲットは中国、タイ、ブラジル、チリなど世界に広まると予測している。そのような予測の中で、軽自動車の製造・販売は日本の自動車メーカーにはもはや必要ないのであろうか。

 これについて『Jalopnik』は否定的な見解を示している。その理由として以下を挙げている。

・スズキは、国内事情が日本と似ているインドでは軽自動車の規格をベースとした小型車、「マルチ・スズキ・インディア」の販売に成功している。
・スズキは高品質の軽四を米国で販売していたら、成功したのではないか、

 事実スズキはリチウムイオンバッテリー搭載等の高品質な軽自動車を開発しており、これについてはニューヨーク・タイムズ紙でもとりあげている。

 日本の自動車メーカーの将来を左右する軽自動車の動向について、今後も注視する必要がありそうである。

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Text by NewSphere 編集部