英首相「日本の原発投資歓迎」 20,000人以上の雇用と電力の安定供給に期待

 1日、東芝とGDFスエズは、3基の新しい原子炉の建設予定地の管理契約に関し、イギリス当局と合意に達した。

 本契約の詳細条件に関しては明らかになっていない。しかし、デイビッド・キャメロン英首相は、「イギリスの原子力産業の再開発に関し、東芝とウェスチングハウスが200万ポンド以上の大きな投資を行った」と発表した、とテレグラフ紙は報道している。

 原発建設地はウエスト・カンブリアのムーアサイドに位置する。本オプション契約は、原発合弁会社ニュージェンが2009年に1950万ポンドで購入したもので、期限の失効が迫っていた。

 今年1月、東芝は、フランスとスペインの電力会社が折半で出資するニュージェンの株式60%を、東芝傘下の米原発大手ウェスチングハウスを通じ、買い取った。東芝が今回のリース契約に合意したことで、本合弁事業に対する東芝の真剣な態度が明らかになった、とロイターは評価している。また、新世代の原発の開発を急ぐイギリスにとって、重要なマイルストーンであるとも指摘している。

【大きな雇用機会と安定エネルギー供給に期待】
 キャメロン首相は、「新原子炉の建設期間に14,000もの雇用が生み出され、さらに多くの雇用機会がある」と述べた、とテレグラフ紙は報道している。原子炉の建設期間に、直接的もしくは間接的に21,000人の雇用が見込まれる、ともロイターは指摘している。

 イギリスの原子炉は老朽化が進み、新世代の原子炉に切替が急務である。ニュージェンは、東芝傘下のウェスチングハウスにより製造された原子炉を使用する計画である。2024年までに一基目が電力を供給する予定であり、600万世帯に十分な電力を供給できるだろう、とテレグラフ紙は報道している。

【日本はイギリスの重要な原発開発のパートナー】
 東芝の原発建設に関する契約は、おりしも、安倍晋三首相の訪英中に発表された。キャメロンは安倍首相との会談後、声明を発表し、ムーアサイドの原発投資の進展を「歓迎する」と述べた。

 ニュージェンに続き、日立もイギリスにおける新しい原発建設計画を公表した。日本企業二社がイギリスで新しい原子炉を建設する計画をしていることから、日本はイギリスにとって原発開発の重要なパートナーとなった、とロイターは指摘している。

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Text by NewSphere 編集部