iPhone5c低価格8Gモデルで新興国巻き返しはかる? 海外紙は“人気が改善するかは疑わしい”と懸念
3月18日、アップルは、販売が低迷するiPhone5cに安価な8GBモデルを追加した。新モデルは、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリア、および中国で販売開始された。
8GBモデルの価格は、イギリスでは429ポンド、フランスとドイツでは559ユーロ、中国では、端末の長期契約がない場合、4,088人民元(660ドル)である。しかし、攻勢を強めるグーグルのアンドロイド搭載端末と比較すると、新モデルが高価格であることは否めない。
8GBモデルの投入により、iPhone5cの人気に火がつくのか。海外紙は懐疑的だ。
【iPhone5cの不振の背景】
去年秋の公式発表前、iPhone5cは大きな成功を収めると見られていた。新興市場で競争できるほどの低価格が設定されると予想されていたためだ。しかし、期待は裏切られた。例えば、中国では、iPhone5cはiPhone5sよりもわずかに安い程度だ。
フィナンシャル・タイムズ紙は、iPhone5cの人気が改善するか疑わしい、としている。同紙は、新興市場とプリペイド市場における販売増加のためには、端末のSIMフリー価格を400ドル前後にしなければならない、と指摘している。
iPhone5cの不振の原因として、消費者がiPhone5cよりもiPhone5sを好むことにある、とガーディアン紙は指摘している。中国の調査会社友盟によると、iPhone5sは、発売後4カ月で、ネットワークトラフィックの12%を占めたのに対し、iPhone5cは2%に留まっている。
アップルは2013年10月から12月までの3か月間に、5,100万台のiPhoneを売り上げ、前年同期比7%の増加を記録した。しかし、この数字はウォールストリートの予測を下回っている。「プラスチックのiPhone5cの評判が世界的に芳しくないためだ」、とフィナンシャル・タイムズ紙は指摘している。
巻き返しをはかるため、アップルはどんな戦略を取るのだろうか。
【低価格市場に裾野を広げる】
ガーディアン紙によると、低価格のスマートフォン市場は、向こう4年間に34.5%の(複合)年平均成長が見込まれている。一方、アップルが強みを持つ、600ドル以上の市場は成長が頭打ちとなる。
iPhoneの売上増加のためには、新興市場に裾野を広げることが鍵となる。
1月、アップルは、世界一規模の大きなキャリアである中国移動と提携したiPhoneの販売を開始した。アップルが、長期契約と引き換えに端末を低価格もしくは無料で提供する中間価格市場に着目していることは明らかだ。
アップルは、今年後半に、大型ディスプレイを搭載したiPhone6を発表する予定である。
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