1年で3倍!日本のアプリ市場が世界一に 海外「将来性大きい」と熱視線
日本のユーザーによる10月のスマホやタブレット端末向けのアプリの売上高が、アメリカを抜いて世界1位になった。アプリ関連の調査会社アップアニーが11日に発表した。裏付けとなるデータは非公表だが、アップルのアイフォン向けアプリとグーグルのアンドロイド向けアプリの売上高を合算したものだ。同社によると、昨年10月時点ではアメリカの6割程度だった日本の売上高が3倍に増え、同国を約10%上回ったという。さらに、今年10月の売上は韓国の3倍、イギリスの6倍になったようだ。
各国でアプリ市場が拡大している中、群を抜いた急成長を見せている日本市場の背景と今後の展望を海外各紙が報じている。
【根付いたデジタルコンテンツ購入文化】
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、日本は以前から携帯向けインターネットシステムの構築が進んでおり、1999年にNTTドコモが「iモード」を開始していると報じた。これは初代アイフォンの登場よりも8年、アンドロイド携帯よりも9年早い。ブルームバーグも、日本には以前から携帯電話のコンテンツを購入する習慣があった、というアナリストの分析を紹介している。日本のユーザーは世界に先駆けて、高機能携帯電話を通じて、電車のスケジュールやゲームなどのデジタルコンテンツの購入を行ってきたということだ。
各紙は、デジタルコンテンツのビジネス歴が長い日本で、スマホが急激に普及したことで、「モバイルインターネット市場」が確立され、今回の結果に至ったという論調だ。日本の2009年のデジタルコンテンツの売上高は5530億円を超えていたが、2012年には8510億円に膨らんだとウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。
【圧倒的なゲームの人気】
ゲームの存在なくしては日本市場の拡大はなかったようだ。「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)のガンホー・オンライン・エンターテイメントや、LINE、コロプラ、セガサミーホールディングス、バンダイナムコホールディングスなどが、いずれもこの1年間で売上を拡大しており、700%増という会社も少なくないとブルームバーグ紙は事例を挙げている。
また、ウォール・ストリート・ジャーナル紙でも、日本のゲームアプリの売上高は前年同期比で4倍近くになり、世界の総売上予測122億ドル(約1兆2500億円)の26%程度になるという予測を報じている。日本の3倍のゲーム人口がいるアメリカが全体の25%程度だというので、日本におけるゲーム人気の高さが伺える。
【2014年は日本市場に注目せよ!】
世界のアプリ開発者は2014年を日本市場に注力する年にすべきだとアップルウェブログ(非公式)TUAWは呼びかけている。同ブログは日本市場の特徴として、グーグルのコンテンツストアGoogle Playへの支出額が、アップルのアイフォンやアイパッド向け製品の支出額に追いついた珍しい国で、将来性の大きい環境だとしている。背景には、グーグルが日本の携帯電話会社と料金を合算する方法など、クレジットカード利用に比較的消極的な日本人向けの支払いシステムを整えた効果があったようだ。
海外のゲームメーカーが日本に参入するには言語や文化の壁などがあるが、これから飛躍する市場への投資が無駄でないことは明らかであろう、との論調だ。