中国EC、1日で売上5600億円! 楽天の約3ヶ月分に匹敵するセールとは

 11日、中国ではオンライン上で「シングルデー」のセールが行われ、中国のEC市場の記録を更新した。アリババグループ、蘇寧電器株式会社、テンセントは50%以上の割引をし、今年の売上げ記録を塗り替えたことをブルームバーグは伝えている。

 AFP通信によると、中国最大級のEC会社、アリババ社の「シングルデー」の売上げは50%増の350億元(約5600億円)だという。これはアメリカでの感謝祭後の「サイバーマンデー」の倍以上の売上げに相当することを各紙は報じている。同11日、同社は訪問者数が中国の大人の人口の3倍以上の4億200万人、出荷数は1億5200万件であったことを報告した。

 なお、楽天優勝セールが記憶に新しい「楽天市場」では、2013年9月の1ヶ月間の流通総額は1426億円だった。

【「シングルデー」のセール成功、中国のEC成長の背景は?】
 人民日報によると、シングルデーは、11月11日が中国語の「光棍(グアン グン)」、すなわち独身の男女を連想させることから、90年代に学生によって始められたものだ。

 アリババ社運営のTモールは2009年に最大級のセールを行い、競合他社が参入したことで、11月11日はネットショップの「稼ぎ時」となったことをブルームバーグは伝えている。

 アリババ社が、人がオンラインショップでの買い物の中に癒しを見出している事を実感した、と述べていることをニューヨーク・タイムズ紙は伝えている。
 
 中国でのオンラインショッピングでの購入の増加は、店舗の需要の推移を示していることをブルームバーグは指摘している。ブルームバーグ・インダストリーズによると、昨年度のオンラインでの売上高は、年の初めには4.3%から6.3%へ跳ね上がった。一方マーケットシェアの上位100店舗の売上高は11.2%から9%へ縮小している。アナリストは、「中国人消費者はお買い得品が好き。ECはより簡単にバーゲンの品を手にできるよう提供している」と述べている。。

【国民性にマッチしたオンラインショップでのセールが大成功、アメリカを追い越す勢いの成長率】
 中国の今年のオンラインショップの売上げは2900億ドルと見込まれており、アメリカの見込み2600億ドルを上回る。

 アメリカのコンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニー社は、中国のオンラインショッピングは2015年までに年率32%成長すると予測しているとニューヨーク・タイムズ紙は報じている。これは2009年〜2012年の年率71%というペースを下回る。ただ、アメリカの2015年までの成長率13%を遥かに上回る。同社は、2015年には中国のEC市場規模は5000億ドルに達すると予想しているという。

 フィナンシャル・タイムズ紙は、公的機関の過剰な投資ではなく、消費の拡大によって、中国は経済のバランスを取り戻そうとしているのではと報じている。

Text by NewSphere 編集部