日本はなぜ、節電・停電せずに猛暑を乗り切れたのか? 海外が評価する日本企業の取り組み
今夏の日本は猛暑に襲われた。高知県四万十市で国内過去最高の41度を記録。およそ150地点で歴代最高気温が更新された。熱中症などから身を守るうえでも、冷房など、電力の必要性が増したのは言うまでもない。一方、東日本大震災の影響で、ほとんどの原発は稼働していなかった実状がある。
海外からは、「なぜ日本は節電、停電せずに猛暑を乗り切れたのか?」との疑問が投げかけられている。そこには日本企業の節電、省エネの努力、技術があった。
【省エネ効果】
日本在住の米国人環境保全活動家は、日本企業が消費電力の低いLEDに切り替えを進めており、オフィスの消費電力を最大40%も削減させたことを指摘。こうした努力の結果、15~20%ほどエネルギーの消費が減ったと説明している。
企業・家庭らの努力で10%需要を減らすことができれば、およそ14の原子炉の必要性がなくなる、という政府の試算をフォーチュン誌は紹介している。
【コマツのエネルギー対策】
世界第2位の建設機械メーカー、コマツは、2015年までに少なくとも50%ものエネルギー削減を目標に掲げている。すでに、製造の手法を変えたことで、3年間で40%もの省エネに成功しているという。
製造手法を変えただけでなく、コマツはソーラーパネルを設置し、今後は地下水の利用なども含めた再生可能エネルギーの活用法も模索していくようだ。
さらに、2020年までに、300~400億円をかけて既存の工場や事務所を改装し、LEDも活用する予定とのこと。白熱電球からLEDに置き換えることでコストもかかるが、2年以内に元が取れると試算されている。
【大手メーカー各社の取り組み】
同誌は、日本企業の技術についてもふれている。パナソニックのシリコン・ウエハースの新しいソーラーパネルは太陽光から電力に変える変換率が世界で最も高く、その数値は24.7%。これまでの平均10%を大きく塗り替えたという。
また日立、富士通、NECは共同で、2019年までに、現在の10分の1の電力のみを必要とする、次世代半導体を開発、運用する計画だ。