DIRECTION

ART & DESIGN

Interview:フランシス真悟氏、クリスチャン・アヴァ氏が語る「レイヤーズ・オブ・ネイチャー その線を超えて」 後編

Shingo Francis and Christian Awe Interview "LAYERS OF NATURE  -BEYOND THE LINE"

SCROLL DOWN

Christian Awe’s waterfall installation “Seazon” / Alloposidae

2018年4月、セゾン現代美術館で始まったばかりの企画展「レイヤーズ・オブ・ネイチャー その線を超えて」にて、巨匠 サム・フランシス氏とともに作品を展示しているふたりの芸術家、フランシス真悟氏とクリスチャン・アヴァ氏。『Interview:フランシス真悟氏、クリスチャン・アヴァ氏が語る「レイヤーズ・オブ・ネイチャー その線を超えて」 前編』に続き後編では、ふたりのルーツとアートの持つ可能性について語ってくれた。

真悟さん、あなたとお父さん(サム・フランシス氏)との関係について少し聞かせていただけますか。

真悟氏:若い頃は、芸術家の父親を持ったことに非常に多くの葛藤がありました。利点でもありましたが、負担でもありました。私は絵を描くことが大好きで諦めたくはありませんでしたが、同時に、自分自身を見つけようと悪戦苦闘していました。当時は私は父を「対処」しなければならないと感じていましたが、現在ではもうそのようには感じなくなりました。

絵画の可能性については幼い頃から気がついていました。私が子供の頃、父は自分のスタジオ内の一角に、絵を描けるスペースを用意してくれていました。父は私のところへやって来ては、「これはどうだ、それについてはどうだろう」と尋ねたり、それはさながらワークショップのようで、私はそんな父とのやりとりが好きでした。しかし、私が12~13歳のころ、絵を描くことに大きな抵抗感を抱くようになりました。それまでは放課後になると、父のスタジオに行き、仕事が終わるのを待ってから一緒に歩いて帰宅していたのですが、父が私に、「古き良き日々」のように絵を描くように勧めても、私はいつしか父を拒み始めていました。私は、絵を描くことは「父のやること」であって、私がやるべきことではないと思っていました。今考えれば、父を悲しませてしまったと思います。

showing – from left to right: Sam Francis’ work “untitled”, Shingo Francis’ work “Matrix(green-violet)” / Alloposidae

私は読書や文章を書く事が好きで、言葉を使って自分自身を表現する楽しさに魅了されていました。そこで、大学ではクリエイティブライティングを専攻することに決めました。その間も私はいつもイラストは描き続けていました。自分の創った物語や詩にイラストは付けていましたが、ペインティングはしていなかった。かいつまんで話すと、大学一年生の時、選択科目として美術のクラスを履修しなければならなくなり、当時はお金に困窮していたこともあって、父のスタジオに行き、絵の具やら何やら、必要なものを拝借しに行きました。そこで再び絵を描き始めた時、私の中に全てが蘇ってきました。絵を描くことがどれだけ好きだったのか、そしてどれだけ恋しかったのかを思い出しました。その後は色々思い悩みました。

丁度その頃、言葉があまりにも固有で融通が利かないことに起因する、言葉を操る息苦しさにも直面していました。私は行き詰まってしまい、言葉ではなく視覚的に自分を表現してみたい、と思うようになっていたのです。答えはシンプルで、私は視覚表現が向いているのだ、とはっきり悟りました。そこで、私は自分の専攻を、クリエイティブライティングからビジュアルアートへと変更しました。父はそれを「全く」喜びませんでしたが(笑)。専攻を変更したことを父に話したら、父は私を見て、「そうか、画家になるのか。それじゃあ、私と対峙することになるということだよ」と言いました。当時、父が何を言っているのかわからなかったのですが、数年前、自分自身を真剣に見つけようとしていた時に父が言った言葉の意味を理解しました。私の中には明確に父が存在している、と。

私がエド・モージズという芸術家と仕事をしていた時、エドに私の抱えていた悩みを話したことがあります。四方八方から「サムの息子」と呼ばれていたので、自分自身のアイデンティティを見つけるのにどれだけ苦労をしているか、そして、どれだけ頻繁に父の作品と自分の作品を比較し続けてきたかをエドに打ち明けました。するとエドは、「逃げてはいけない。背負っている物ときちんと向き合わなければいけない。きちんと向かい合って活路を見いだした時、初めて自分自身を見つけることが出来るはずだ。目を向けずに逃げてばかりいては、何年も逃げ続けることになるだろう」と言いました。これは本当に素晴らしいアドバイスでした。このおかげで、私は自分らしく自然体でいればいい、と思えるようになりました。それでもなお、私は絵を描くし、自分自身の描き方で良いのだと。

その後、しばらくの間ロサンゼルスを離れたことも良い方向に働きました。ロサンゼルスでは、私はいつも父の築いた世界に囲まれて過ごしていましたが、ニューヨークや日本ではそうはならなかったからです。

Infinite Space (scarlet-yellow) / Alloposidae

クリスチャンの場合はどうですか?どのようにして芸術の世界へ足を踏み入れることになりましたか?

クリスチャン氏:私は東ドイツで育ったのですが、89年にベルリンの壁が崩壊した時、全てが破壊されました。当時、私はサッカーをしていましたが体制が完全に変わってしまい、インドアのスポーツクラブも破壊され、閉鎖されました。だから、本当に突然に、私たちは屋外の路上でサッカーをプレイするようになりました。私は列車倉庫の近くで育ったので、西ベルリンからスプレーを使ってグラフィティを描くアーティストたちがこぞって私の住む地域に押し掛け、電車にスプレーで絵を描いたのを身近で見ていました。誰もグラフィティを気にしなかったし、警察も他のことで手一杯だったので何の対処もしませんでした。

そのような状況だったから、90年初頭には私の周りには限りない自由があり、創作のスペースは至る所にありました。私は、サッカー、バスケットボール、グラフィティ、そしてブレイクダンスと、ありとあらゆることをやりました。ラップまでもね。だから、私はとても都会的なシーンの中で育ったことになります。当時の私にとっては、コミュニティで過ごす愉快な時間が全てでした。社会主義の中で育ち、その良い面だけを経験したことで私の芸術観が明確化されたと言えます。私はグラフィティや芸術の持つ破壊的もしくは違法な側面には何の興味もなく、クリエイティブな側面に関わり続け、限界を引き上げようと試み続けていました。

その後まもなく、ベルリンで過激派や右翼が関わる数多くの衝突や紛争が起きました。芸術は人と人との橋渡しとなり、また、人をさらに心暖かで優しくするものなのだから、芸術と文化に関わる人ならだれでも心を開くようになる、と思いました。その思いから、私は屋外に大きな壁画を制作しよう、と心に決めました。私が目指したのは、単に壁画を描くことだけではなく、ワークショップの開催を通じて人々に違いを受け入れるようになってもらうこと、そして、人々に一致団結するよう啓蒙することでした。私は常にこれらのプロジェクトを通じ、一般市民との関りを深めるように努力を重ねており、良い結果も生まれました。

以前「Adanzé」というタイトルの大きな壁画を制作しました。「Adanzé」とは、西アフリカ諸国の言葉で「心のこもったおもてなし」という意味です。私がブルキナファソへ旅行した時に得たインスピレーションを元に制作しました。一瞥しただけでは抽象的なタペストリーに見えますが、同時に色とりどりの花々で彩られたブーケのように見えます。つまりこの作品は、挨拶について描いたものです。この絵で得られた資金はマリ共和国との国境付近にある、ブルキナファソのカッサンの学校の設立費用となり、今では300人以上の在校生を抱える学校になりました。次のプロジェクトでは病院を建てることを目的としています。このように、芸術は本当に人々を繋ぐ架け橋となるのです。

もともとは、芸術家になれると思ってもいなかったので、美術とスポーツの先生になりたかったんです。もちろん、誰もが私に、芸術家になるのはやめておけ、と言いました。皆、口を揃えて、「たとえば、弁護士、医者、警察官などの何か真剣な職業に就くべきだ。何になってもいいけれど、芸術家にだけはやめてくれ」と私に言いました。今なら、彼らがどういうつもりでそう言ったかを理解できます。芸術家であることは本当に厳しいいばらの道を歩く事です。ドイツでは、ほんのわずか数パーセントの芸術家だけが作品の制作だけで生計を立てることができ、これは日本でも似たような状況だと思います。しかし、私は、芸術家は世の中に変革をもたらすきっかけを与えることができ、社会の中で最も重要な職業のひとつだと思います。私たちは社会での真の原動力となって、常に社会の規範に疑問を投げかけ続けています。

芸術に重きを置くことのない実に多くの人たちに対し、どのようにすればその重要性を伝えることができると思いますか?

クリスチャン氏:だからこそ、私はこの展覧会はとても重要だと感じているのです。日本はこれからまさに芸術に対して開かれたスタンスへ踏み出そうとしていると感じています。世界は広いですが、同時にとても狭いのです。私たちが、様々な文化の類似点や相違点を学んだり確認したりするために、芸術が非常に大きな役割を果たします。誰か芸術の手ほどきをしてくれる人が身近にいない限り、たいていの人は普段の生活で芸術と関わることは稀であるとは思っていますが、だからこそ美術館という場所が誰にとっても身近で親しみやすい場所であるべきだ、と私は確信します。

人々に芸術は面白いものだと知って欲しい。今回の企画展の制作の過程を、私自身も大いに楽しむことができました。来場した子供たちが我々のアートワークと触れ合っているのを目にすることは、実に素晴らしいことでした。子供たちの中には、私の作品の前で泳ぐ真似をする子たちがいて、私はその様子がとても嬉しかったです。これこそが、芸術の果たすべき役割だと思います。もちろん、芸術は時に非常に真摯なものでありますが、同時に、遊び心にあふれ、人々の想像をかきたてるものでもあり得るのです。

真悟氏:そして人々を一致団結させる、と?

クリスチャン氏:そう。芸術は人々をひとつにする。

真悟氏:私もクリスチャンに賛成です。日本が、違いを受け入れたり新しい考え方を取り入れたりする先進的な社会になるためには、よりいっそう開かれた社会となる必要があります。芸術は間違いなく日本がそのような社会になっていく手助けの1つだと思います。学校での美術教育は技巧的な側面に傾倒する風潮がありますが、私は、どれだけ上手に絵を描くことが出来るかや、どれだけ技術のレベルが高いのか、といったことはさほど重要ではないと思います。

自由に表現し、自身の感覚を臆することなく作品に込めて発表し、自分に対する他人の評価を恐れないことがとても大切なのです。それがとても難しいことであることは十分に理解しています。特に、現代社会では、ソーシャルメディアが広範に行き渡ったことによって、私たちは常に他人の評価と判断の対象になり得る状況にいます。自分が判断する立場なのか、それとも判断される立場なのかに関わらず、意識的にせよ無意識的にせよ、我々の日常生活には、このような状況になることは枚挙に暇がない。しかし、私は、個人主義は極めて重要だと考えています。「私だけがただ一人、重要なのである」という利己的な考えに基づく個人主義ではなく、自身の価値を自覚する個人主義がとても大切です。

クリスチャン氏:私は、美術館を訪れ、私の作品を見て感動している人を見ると嬉しく思います。ちらりと見るだけで通り過ぎる人もいる中で、日本では展示してある作品をじっくりと観賞する人が多いように思います。私の作品の前で立ち止まり、微に入り細を穿つように注意深く鑑賞しながら、作品について多くの質問をする人もいます。私の作品は色彩豊かで躍動的なものが多く、鑑賞する人が圧倒されてしまったり、強烈過ぎる印象を与えてしまったりするかもしれません。万人受けする作品ではないですが、好むと好まざるとにかかわらず、アートワークに対して自分の印象や考え方をしっかりと持つことは大切です。真悟と私は、この企画展の期間中、私たちの作品とワークショップ(*)を通じて来場者にこのことを伝えられることを楽しみにしています。ワークショップは成果に関して発表する場ではなく、もっと自由で参加者の創造性を発揮できるような場になる。つまり、過程を重んじる場にしたいと思います。

真悟氏:この企画展に来場し、作品の数々を鑑賞して圧倒されてしまう人がもしいるならば、私はその人に、自身の表現方法は何通りもあり、考えや印象をまとめる方法がいくらでもあることは素晴らしい、ということをさりげなく伝えたいです。この展示がそういった種類の壁を打ち破ることを望んでいます。素晴らしい芸術家になるには名のある美術学校に通うなのではない。自分がどのような存在で、それをどのように表現するのか、ということがはるかに大切な意味を持つのです。自分の内面に抱く思いや感情が最も重要です。

クリスチャン氏:特に日本では、多くの人が自分の考えや気持ちをありのまま表現することを非常に恐れている傾向があるように感じます。でも、こう考えてみましょう。テクノロジーがあらゆる場面に導入されていくにつれ、何が人間らしさとなるのでしょうか?私たちには、機械には出来ないどのようなことができるのでしょうか?私たちは自分の価値について、そして、すべてのものが自分にとって何を意味するのかについて思いを巡らせる必要があります。

では、デジタル・ネイティブな世代に向けて何かアドバイスは?

真悟氏:しばし身の回りからテクノロジーを排除し、スマートフォンやインターネットを遮断する訓練を少しずつやってみよう。 SNSでメッセージを送る代わりに、外へ出て、友人と会って話してみよう。一日に数時間で良いから、そんな習慣を始めてみよう。そうすれば何かがはっきりと変化するのが分かるでしょう。

クリスチャン氏:外へ出て、自分らしく生きよう。夢を見るだけで終わらせず、叶えることを楽しもう。本を読んだり動画を見たりするだけで終わらないようにしよう。自分の身体を使って経験し、自分の目で見て確かめよう!

Alloposidae


「レイヤーズ・オブ・ネイチャー その線を超えて」

会場:セゾン現代美術館
会期:2018年4月21日(土)〜9月2日(日)
開館時間:10:00−18:00(入館は閉館30分前)
休館日:木曜(8月は無休)
入館料:一般1500円(1400円)、大高生1000円(900円)、中小生500円(400円)
※()は20名以上の料金

EVENT

*ワークショップ「光・色彩・アクション」クリスチャン・アヴァとフランシス真悟との絵画体験
日時:8月11日 10:30〜12:00
対象:小学1年生〜小学3年生と保護者
定員:10組
参加費:無料(要当日観覧券)
申込方法:電話もしくはFAXにて、1.名前、2.人数、3.連絡先(電話番号/Eメールアドレス/FAX番号)を明示
申込先:03-5579-9725(電話)03-5579-9726(FAX)

アーティスト・トーク/フランシス真悟、クリスチャン・アヴァ
司会:ロジャー・マクドナルド(NPO 法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]副ディレクター/キュレーター)
日時:8月11日 14:00〜
会場:展示室内
定員:30名
参加費:無料(要当日観覧券)、申し込み不要


松下沙花 (まつしたさか)

アーティスト。
長崎生まれ。ニューヨーク、トロント、横浜育ち。
Wimbledon School of Art (現ロンドン芸術大学ウィンブルドンカレッジオブアート)の舞台衣装科で優秀学位を取得。その後Motley Theatre design Courseで舞台美術を学ぶ。大学院卒業後はロンドンにてフリーのシアターデザイナーとして映画、舞台、インスタレーションプロジェクトのデザインを手がけた。2012年より個人プロジェクトの制作を始め、現在は東京をベースに活動を続けている。
www.sakamatsushita.com
instagram: @sakamat

Shingo, please tell us a bit about the relationship between you and your father (Sam Francis).

Shingo:  When I was young I had a lot of conflict about having an artist father-it was both helpful and burdening. I loved painting and did not want to give it up but at the same time, I was going through a struggle to find myself. Back then I felt like I had to deal with my father, well now I don’t feel like that anymore.

I saw the possibilities of painting when I was growing up. When we were little, my father would give us a corner of his studio to paint. He would come to us and say “how about this, how about that”… so it was very much like a workshop and I loved it.  But when I was 12 or 13 I had a real push back against painting. After school, I used to go to his studio and wait for him to finish work so we can walk home together.  He would ask me to paint like the “good old days” but I started to refuse him. I just thought it was his thing, and not mine. I think that made him sad.

I loved reading and writing and enjoyed expressing myself with words so I decided to major in creative writing for university.  At the same time, I was always illustrating.  Illustrating my stories and poems, but no paintings. Long story short, when I was a freshman in college I had to take an art class as an elective. For that, I didn’t have a lot of money so I thought I’d get some paints from my dad, went over to his studio and grabbed some stuff.  I started painting and everything came back to me. I realized how much I missed and loved painting.

I went through a lot of mixed feelings after that, because around the same time I was having difficulties with words as well since words are can be so specific. I was hitting a wall and wanted to express myself visually. The answer was simple. I realized I am more visual.  So, I changed my major from creative writing to visual arts… and my father was NOT happy about it (laughs).  When I told him that I changed my major he looked at me and said “So you wanna be a painter. Well, you’re gonna have to deal with me”.  I had no idea what he was talking about back then, but a few years into it when I was really trying to find myself,I started to realize what he was talking about.  I have so much of him in me.

I was working for an artist called Ed Moses then, and when I told him about my problem and how I was having a hard time trying to find myself because everywhere I turned I was called “Sam’s son” and how I kept comparing our works.  Ed said “Don’t try to run away from it, you have to go through it. Once you go through it, you will find yourself. If you run away, you will be running away for years”.  This was a great advice, it made me feel like I should just be natural. However I paint, my way of painting is fine.

After that, I left LA for a bit which also helped because in LA I was surrounded by my father’s world but in New York or Japan I was not.

How about you Christian, how did you get yourself into art?

Christian:  I was brought up in East Germany, and when the wall fell in 89, everything broke down. I was playing soccer then, but even the indoor sports club broke down because of the complete change in system.  So all of a sudden we were playing outside on streets. I was raised near a train depot, so all the spray graffiti artists from West Berlin came to my area, spray painting the trains. No one cared, the police didn’t care because they had other worries.

Which gave a lot of freedom in the early 90s, a lot of space for creativity. I would play soccer, basketball, graffiti, breakdance, all of that! Rapping, you name it. So I grew up in a very urban scene.  It was all about the groove and the community. Being raised in socialism, having had experienced only the good side of it, has definitely shaped my view of arts. I was never interested in the vandal or illegal part of graffiti or the arts, but I was always into the creative part, trying to push the boundaries.

Shortly after in Berlin, we’ve had a lot of conflicts involving the extremists or the right wing, and I thought whoever engages in art and culture will open up their mind because art builds bridges and makes you a better human. This thought led me to decide to paint large outdoor murals. The intention was not only to paint but to educate people to embrace differences through workshops and bring people together. I always try to engage with the public for these projects and they have had a good cause.

I have done a large mural called Adanzé which means a cordial welcome in different West African languages, inspired by my travel to Burkina Faso.  This at a glance looks like an abstract tapestry but at the same time like a bouquet of flowers so it’s about greetings. This painting financed a school in Kassan/Burkina Faso, near the border to Mali, that currently teaches over 300 students. Next project is to build a hospital. So there, art can really build bridges.

I first wanted to be an art and sports teacher because I didn’t know that art could be a profession for me. Everyone, of course, said don’t become an artist. They all said “Do something serious. Become a lawyer, doctor, policeman, you can be anything but please, don’t be an artist”.  I can see what they mean now,  it is really tough. Only a few percentages of artists can make their living just with their art in Germany and I guess similar in Japan. But I think artists are one of the most important professions in the society because we give the impulses for change. We are the real engine of society and question its norms all the time.

How do you think we can communicate the importance of having art in one’s life, when it is at the bottom of the list for so many people?

Christian: That is why I feel this exhibition is so important because Japan is starting to open up now. The world has got so much bigger but at the same time so much smaller. We definitely can learn and see the differences and similarities from one culture to another and art helps with that. I think a lot of people don’t have art in their life unless someone introduces them to it and that is why I believe museums should be for everyone.

I want people to find out that art can be fun. Creating this exhibition put many smiles to our faces. It was great seeing kids interacting with our artworks, too, for example some kids were pretending to swim in front of my work. I just love that. That is what art should be about. Art can be very serious at times of course, but it can also be very playful and inspiring.

Shingo: And bring people together right?

Christian: Yes, bring people together.

Shingo: I agree with Christian. In order for Japan to be a progressive society that embraces differences and new ways of thinking, it needs to open up more. I think art can definitely be one way to do that.  Art education at schools tend to be leading towards the technical side but I believe what is important is not about how good you can draw, not about skill levels but it is about being free to express, not being afraid to show your feelings and not be afraid about how others see you. It is very difficult to do this I understand, especially with the social media and we are surrounded by judgement. Whether you are judging or being judged, consciously or unconsciously, there are so much of it in our daily lives nowadays. But I believe individualism is very important. Not the individualism in a selfish “I am the only important one” way but in a way of knowing your own values.

Christian: It’s so nice to see someone coming to a museum and being touched by my works. Some just go through it but I feel like in Japan people really interact with artworks. Some stand in front of my work and inspect every little detail, asking a lot of questions about it.  My works could be overwhelming because they are very colourful and dynamic, and it might be too much for some. It’s not for everyone but it’s important to have your own reaction to an artwork. Shingo and I are hoping to show that during this exhibition with our works and through a workshop. The workshop is not about the outcome, it is more about being free and letting your creativity flow. The process.

Shingo: Even if someone comes to see this show and just feels overwhelmed by the works, for me, just giving the idea to someone that there are many ways to express yourself and multiple ways to bring your thoughts together, is great.  I hope this show breaks that kind of barrier. You don’t have to go to a certain school to be a good artist, it’s more about who you are and how you want to show it. What is inside of you counts.

Christian: A lot of people are very afraid to show their thoughts and feelings especially in Japan I feel. But think about it, when the world is turning to more technologies, what is the human factor? What can we do that machines can’t do? We need to think about our values, and what everything means to us.

So any advice to the digital native generation?

Shingo: Try to unplug sometime and give yourself a little discipline with phones and internet. Go outside and talk to your friends rather than messaging. Start with a couple hours a day, and you will start to see the contrast.

Christian: Go out and live life. Don’t just dream about it, enjoy. Don’t just read or watch videos about it. Experience and see how it is!


“LAYERS OF NATURE -BEYOND THE LINE”

Sezon Museum of Modern Art
21st April 2018(Sat)-2nd September(Sun)
Open 10:00−18:00(Admission is 30 minutes before closing)
Closed every Thursday(7 days a week in August)

Admission:General¥1,500(¥1,400) College Student ¥1,000(¥900)Student ¥500(¥400)
*()In case of more than 20 people.

EVENT

WORKSHOP「Light・Color・Action」Painting experience with Christian Awe and Shingo Francis
Date/Time:11st August 10:30-12:00
Target:first-third grade of elementary school children and parents
Number of positions:10 people
Admission:Free(need a day admission)
How to apply:Call or Fax, please tell your 1.Name, 2.Number of people, 3.Contact information(Telephone/E-mail/Number of FAX
Apply to:03-5579-9725(TEL)03-5579-9726(FAX)

Artist Talk : Shingo Francis, Christian Awe
Presenter:Roger McDonald(NPO Arts Initiative Tokyo[AIT] Deputy Director/Curator)
Date/Time:11st August / 14:00〜
Place:Exhibition room
Number of positions:30 people
Admission:Free(need a day admission),Reservation is not required.


Saka Matsushita

Artist
Born in Japan, raised in New York City, Tokyo and Toronto.

She trained on the Motley Theatre Design Course, London UK.
Prior to Motley, she gained a BA Hons in Costume Interpretation from Wimbledon School of Art (University of the Arts).Throughout and after her studies, she worked on variety of film, theatre and installation projects as a costume/set designer.
She has been working on personal projects since the beginning of 2012 and currently based in Tokyo.
www.sakamatsushita.com
instagram: @sakamat

RECOMMENDS