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		<title>防衛白書で示されたオーストラリアの“困難な綱渡り” 名指し避け、急ピッチで海軍力強化へ</title>
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		<pubDate>Mon, 29 Feb 2016 08:00:32 +0000</pubDate>
		<dc:creator>NewSphere</dc:creator>
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		<description><![CDATA[　オーストラリア政府は25日、国防白書を発表した。今後20年間のオーストラリアの安全保障環境を検討し、長期的な国防計画を著している。それによると、オーストラリアの今後10年間の国防予算がこれまでの計画よりも増額され、軍事 [&#8230;]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<div class="wprt-container"><p>　オーストラリア政府は25日、国防白書を発表した。今後20年間のオーストラリアの安全保障環境を検討し、長期的な国防計画を著している。それによると、オーストラリアの今後10年間の国防予算がこれまでの計画よりも増額され、軍事力の一層の強化が図られる。白書では、中国を脅威として名指しすることは慎重に避けられているものの、多くのメディアは、中国の軍事的台頭に対抗するための措置だと伝えた。日本とオーストラリアは、ともに海洋国であり、それぞれの地域におけるアメリカの最重要同盟国である。オーストラリアはどのような認識に基づいて、軍事力の強化を志しているのだろうか。</p>
<p><strong>◆オーストラリアの国防費はこれからうなぎ登りの予定</strong><br />
　ウォール・ストリート・ジャーナル紙（WSJ）によると、2015～16年度のオーストラリアの国防予算は約320億豪ドル（2.57兆円）である（豪の会計年度は7月に始まる）。白書によると、2020～21年度にはGDPの2％の水準の424億豪ドル（3.44兆円）、2025～26年度では、現在の2倍近い587億豪ドル（4.72兆円）にまで増額される。白書では、これまでの計画を上回る規模とペースで、予算が増額されていることが強調されている。</p>
<p>　来年度からの10年間で、装備の調達や情報システムの構築、人員訓練など、軍事力強化のため1950億豪ドル（15.7兆円）が投入される予定だ。そのうち約25％が海洋戦力に充てられる。新型潜水艦12隻、対潜フリゲート9隻、海洋巡視船12隻などである。</p>
<p><strong>◆地域の海洋を舞台とした軍拡競争が始まっている？</strong><br />
　オーストラリアに防衛力、特に海軍力の強化を急がせているものは何か。ターンブル豪首相は、（インド太平洋）地域の国々の海軍装備が増強されつつあるとの認識がその原動力、と記者会見で語った（ブルームバーグ）。白書では、20年以内に、世界の潜水艦の約半数が、オーストラリアにとって直接的に関係のあるインド太平洋で活動するようになる、とされている。</p>
<p>　ターンブル首相は、「島国には強力な海軍が必要だ。特に現今の環境では、強力な海軍が必要だ」（ブルームバーグ）、「地域の安全は、きちんとバランスが取れているかどうかにかかっており、そのバランスを提供する上でわが国が役割を果たせるようにするには、力強いオーストラリアが必須」（WSJ）と語っている。</p>
<p><strong>◆アメリカは最重要の戦略的パートナー</strong><br />
　オーストラリアは、アメリカと深い戦略的パートナシップで結ばれている一方、中国とは強い経済関係で結ばれている。オーストラリアにとって中国は最大の貿易相手国であり、オーストラリアとしては中国との関係も良好に保つ必要がある。そのため、ターンブル首相が、米との同盟関係よりも、中国との経済関係を優先させるかもしれないとの見方があった。しかし、今回の白書でターンブル首相がアボット前首相の計画した強固な防衛姿勢を引き継いでいることを示したことで、オバマ政権は喜びそうだ、と米シンクタンク戦略国際問題研究所（CSIS）のマイケル・グリーン・アジア上級副所長はインターナショナル・ニューヨーク・タイムズ紙（INYT）で語っている。</p>
<p>　INYTによると、オーストラリアはアメリカとアジア太平洋地域の防衛責任を分担することを約束しており、その一環としてオバマ政権に対し、より強力な軍を作るために投資すると約束していたという。</p>
<p>　白書では、アメリカは（白書が対象とする）今後20年間ずっと、世界的に傑出した軍事大国であり続け、またオーストラリアの最も重要な戦略的パートナーであり続ける、とされている。</p>
<p><strong>◆中国は最重要の経済パートナー</strong><br />
　一方、中国に対してはどうか。白書では、アメリカと中国の果たす役割、そして両国の関係が、オーストラリアの安全保障環境の主要な6動因のうちの1つとして挙げられている。中国を独立して取り上げて、自国の安全保障上の懸念対象、とはしていないところがミソだ。</p>
<p>　INYTは、中国政府をイライラさせてしまうことへの懸念のために、白書では、中国の軍事的挑戦に関する言及の調子がいくらか和らげられている、と専門家らが語ったと伝えた。</p>
<p>　2009年の国防白書に、中国軍の近代化のペースと範囲が近隣国に懸念材料を与え、衝突にさえつながる可能性がある、と記述したことで、オーストラリアは中国政府を怒らせたとWSJは語る。</p>
<p>　今回の白書での中国に関する記述は例えばこんな調子だ。「中国は主要国として、自国の防衛政策についてより可視的になり、近隣国に安心を提供することが地域の安定のために重要だろう」「新たに強国となった国がより多大な影響力を求めることは自然なことだが、世界の安定、安全、繁栄に建設的に貢献する方法で振る舞う責任もある」（WSJ）</p>
<p>「オーストラリア政府は、わが国と中国の安全保障上の利益が、地域と世界のいくつかの安全保障問題に関しては異なるかもしれないと認識しつつも、中国との重要な防衛協力関係を深化させ拡大することを求める」（ロイター）</p>
<p>　INYTの上述の専門家らは、それでも白書には、最近の南シナ海での中国の振る舞いへのはっきりした言及がある、と述べていた。わが国は、南シナ海における中国の土地埋め立て活動の、先例のないペースと規模を特に懸念している、というのがそれだ。</p>
<p><strong>◆アメリカと中国の間の綱渡りは今後も続けられるのか</strong><br />
　WSJによると、オーストラリアは主要同盟国と、中国を含む地域の国々に、発表に先立って白書の内容を伝えていたそうだ。オーストラリアの中国への気遣いぶりがうかがわれるエピソードである。</p>
<p>　オーストラリアは、中国との経済的結び付きを脅かすことなしに、アメリカとの戦略的結び付きをより強化することを試みるという、危なっかしい外交的行為に直面している、とWSJは語っている。</p>
<p>　白書は、オーストラリアが従事している困難な綱渡りを例示している、と専門家らが語ったとロイターは伝えた。シドニー大学のジェームズ・カラン教授は、「オーストラリアは、現在はほぼバランスを取っていると思うが、将来的には、アメリカが同盟関係から、地域でますます多くのものをオーストラリアに期待するようになるにつれて、アメリカの機嫌を保っておくことが難しくなるだろうと思う」と語っている。</p>
<p>　もっとも、オーストラリア戦略政策研究所の防衛専門家のアンドリュー・デービーズ氏は、ブルームバーグで、「白書では、わが国の安全保障上の最大の懸念は、中国の振る舞いだと、はっきり言っていないにしても」、新たに導入される装備の種類を見れば、それは明白だという趣旨のことを語っている。</p>
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