リトアニアが中国との「17+1」離脱 ほかの中東欧諸国にも呼びかけ

リトアニアのガブリエリュス・ランズベルギス外相|Armando Franca / AP Photo

 同氏は、中国との貿易において、リトアニアはより努力する必要があるが、同時に開放性、透明性も必要だと指摘。この状況は、EU貿易圏を通じて交渉を行うことで改善が期待できるという考えを示した。また、「17+1」では、EU加盟国と非EU加盟国との差異が利害の不一致を作り出しており、リトアニアにとっては対応が難しすぎると説明している。

◆距離を取る参加国 中国は引き留めに必死
 中国の中東欧における大戦略に関心が薄れている兆候は、今年2月の「17+1」のオンライン首脳会議にも現れた。リトアニアをはじめ、エストニア、ラトビア、ブルガリア、ルーマニア、スロベニアが、首脳ではなく下位レベルの当局者を出席させていた。

 中国とEUの関係も微妙だ。新疆ウイグル問題に対するEUの対中制裁に不満を持つ中国が、EU議員に報復制裁を科したことで、EUは中国との投資協定の承認手続きを凍結する決議を採択した。

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Text by 山川 真智子