ダーク・アナリティクス、ブロックチェーン、機械知能 ー 今CIOが注目すべきテクノロジーとは

 経営コンサルティング会社のデロイト トーマツ コンサルティングは、「Tech Trends 2017日本版」を発表した。このレポートは、デロイトがグローバルでテクノロジー活用の最新の動きについて毎年まとめている「Tech Trends」に、日本の動向と日本企業への影響を加えて解説したもので、8つのテーマで今、CIOが注目すべきテクノロジー活用の最新トレンドが指摘されている。

 こうしたCIOの立場からのテクノロジートレンドは、CIOにとってだけでなく、CIOを支える情報部門、テクノロジーの動向を見極め、新しいサービスを生み出すスタートアップ、そのスタートアップを支援するベンチャーキャピタルにとっても役立つだろう。

 8つのテーマとその概略について、以下に記載する。

1. ダーク・アナリティクス/非構造化データに眠るビジネス機会に光をあてるために
 多くの企業において、拡大し続けるデータストアは非構造化されたまま分析も手つかずとなっている。画像やオーディオ、ビデオファイル、あるいはIoTから生成されるセンサーデータ、深層ウェブに眠る莫大なローデータ等、新たな種類のデータから情報を探索することができている組織はほとんどない。ダーク・アナリティクスとは、これらのデータを探索し、従来の構造化データからでは明るみに出すことのできなかった、事業戦略やオペレーション、顧客に関する精度の高いインサイトを得ることを狙いとしている。

2. 機械知能(MI)時代の到来/テクノロジーがヒトの認知を模倣して価値を生む
 AIは、その急速な発展により、無数かつ多様なケイパビリティを生み出してきた。しかし、その姿については正しく理解されていないこともある。また、AIは、コグニティブ・コンピューティング領域における大きな発展の中で、一部を成すに過ぎない。間もなく、これらと関連するツールが組み合わさり、新しいコグニティブ時代の進化を総称してマシン・インテリジェンスつまり機械知能(MI:Machine Intelligence)を構成する世界がやってくるだろう。

3. ブロックチェーン:トラスト経済圏/デジタルアイデンティティの制御
 ブロックチェーンは、数年前まではビットコインのような仮想通貨に関連する単なる共有台帳技術にすぎないと世間から認識されていた。それが今、分散型台帳においてスマートコントラクトが執行できるようになったことで、「未成熟な仮想通貨」という世間の認識から脱却しつつあり、「トラスト経済圏」の守護者という新たな役割を担おうとしている。

4. 複合現実(MR)/より直感的で没入感のある今までにない体験へ
 拡張現実(AR)とバーチャルリアリティ(VR)を活用したビジネスの可能性は高まっており、一時的かつパイロット的な取組みだけでなく、日常の業務に適用される事例が日々生み出されている状況になりつつある。複合現実(MR:Mixed Reality)は、AR/VRとIoTという異なる技術分野の融和によって作り上げられており、仮想と現実の世界が結びつき、デジタルと現実世界が共存しながら相互作用する、新たな世界が生まれている。

5. イネビタブルアーキテクチャ/「複雑さ」は「シンプルさ」と「柔軟性」への道を開く
 イネビタブルアーキテクチャは、技術革新と成長を可能にする柔軟なソリューションの迅速な開発と展開をサポートするために必要となる基盤を提供する。新技術を取り入れ、システムアーキテクチャが絶え間なく進化することで、ビジネス戦略の展開スピードも速くなり、競争の差別化要因となり得る。

6. サービス化されていくシステム/サービス化による基幹システムの再創造
 多くの企業において既存ビジネスの再整理が進められている。直近で到来しているデジタル化のトレンドの中で、さらなる将来を見据えて、中長期的にビジネスの基盤となりうる「顧客主義・成果ベースのサービス指向プラットフォーム」を実現するロードマップを描くことが必要なのである。こうした状況において、Everything-as-a-service(XaaS)がビジネス上大きなインパクトを与えうるトレンドとして、昨今本格的に検討され始めてきている。

7. 組織の垣根を越えるIT/IT変革におけるビジネスのポテンシャル
 システムの運用管理と導入方法が進化するにつれ、一部の企業は部門横断的なチームを組成し、IT間のサイロ(縦割り構造)を取り除く試みを始めている。2000年代におけるCIOの仕事に対する社会の共通認識は、単純に「火を灯し続けること」だったが、今日は違う。先見の明のあるCIOは、今後数ヶ月の間にIT部門をより柔軟で組織の垣根を超えるものへと変革させるだろう。

8. 飛躍的進化が期待される技術のウォッチリスト/イノベーションの兆しが見えるテクノロジー
 ナノテクノロジーや高度エネルギー貯蔵技術、合成生物学や量子テクノロジーのビジネスへの応用等、本章で扱う「技術の飛躍的進歩」は、まだ兆しがわずかに表れてきているにすぎない。これらが現実のものとなるのは、今後2年~5年のことと思われる。しかし、現実となった際には、市場に与える影響はまさに飛躍的に拡大していくだろう。

photo CC0 Public Domain

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Text by 酒田 宗一