4月に発出された緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が、9月30日に全都道府県で解除された。飲食店の営業時間短縮については引き続き要請されているものの、飲食店への来店人数は10月1日以降増加し、東京都内の繁華街でも人出が増えている。全国的に新規感染者数は減少の兆しが見えつつある中、コロナ禍以前のように「旅行」の計画を立てる人も多いだろう。

先日アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.が発表した、日本を含む世界7カ国で2021年9月9日〜9月15日に実施した意識調査「Amex Trendex」では、消費者目線での旅行需要について、興味深い結果が報告されている。

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他国と比較して、健康なメンタルヘルスを維持するための活動として「旅行」を支持する日本人

今回の調査によると、日本ではコロナ禍における良いメンタルヘルスを維持するための最適の選択肢 として「旅行」 と答えた人が46%と最も多く、他国と比較した際にもメンタルに良い影響を与える活動として「旅行」を選択する人が多い結果となった。また、日本では「旅行は今最も実現したい活動のうちの一つ」と答えた人が74%に上ったことなどに加え、安心して旅行できるようになったと判断するのに必要な条件として、「国内の新型コロナウイルスの感染者数の減少(38%)」と答えた人が最も多くなるなど、感染者数が減少している現在の状況を踏まえると、今後の旅行需要に対するリカバリーが期待できる結果となった。

旅行はメンタルにも良い影響を与える一方で、旅行に行けないことによるストレスも

緊急事態宣言下で旅行を含む行動範囲が制限されていた影響か、コロナ禍において良いメンタルを維持するための最適な手段として、日本では「旅行」と答えた人が最も多い結果となった一方で、コロナ禍において旅行ができないことへの ストレスを多くの人が抱えている現状も見られた。

「良いメンタルを維持するために最適な活動は?」という質問に対して、日本の回答者の46%が 「旅行」を選択。「運動(41%)」「音楽鑑賞(29%)」など、その他の選択肢と比較しても「旅行」を選んだ人たちが多い結果となった(7カ国平均では、「旅行」は30%で、「運動」が50%で最多) 。そのほか、日本では「キャンセルになる可能性があっても旅行の予定があるだけで幸せな気分になる(62%)」という結果も見られたという。「コロナ禍で旅行に行けない状況は不安でストレスになっている(61%)」と多くの日本人が旅行に行けないことへのストレスを抱えていることを示す結果も見られた。

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根強い旅行への関心 感染者数の減少による旅行需要のリカバリーに期待

日本においては、「常日頃から次の旅行先のことを考えている」と回答した人が多くいるなど、根強い旅行への関心を示す結果が見られた。安心して旅行ができると判断する条件としては、「国内の新型コロナウイルスの感染者数の減少」を選ぶ人が最も多く、昨今の感染者数の減少が顕著な日本において、今後の旅行需要の飛躍的なリカバリーをほのめかしている。

「旅行は今最も実行したい活動のうちの一つ(74%)」「コロナ以前よりも自身にとって旅行することの価値が高まっている(71%)」「常日頃から次の旅行先のことを考えている(69%)」など、日本では旅行に強い関心が持たれていることを示す結果となった。