コペンハーゲンはとてもゆったりした空気が流れつつも、実際には新たなスポットがそれなりの頻度でできていて、年間を通してあらゆるイベントも行われているので、小さい街ながらも飽きることがない。どの場所もコペンハーゲンらしいコンセプトやデザインを感じられ、毎度それらの場所に感動させられる。

昨年泣く泣く閉店してしまった、Copenhagen Street Food(以下、Street Food)が今年の5月、コンセプトを新調して都市開発が進む新たなエリア、Refshaleøenに『Reffen』として再びオープンした。

Refshaleøenはクリスチャニアよりもさらに先、新たに再オープンしたNomaや、コペンハーゲンに来たら体験してほしい、ニューノルディックキュイジーヌレストラン、Amassがあるあたりをさらに奥へ進んだあたり。元々は軍事基地、工業地帯だった場所が、造船所の本拠地として利用されていた。現在ではヒップな人たちの新たな遊び場としても人気のエリアだ。

Photo by Natsuko Natsuyama

Street Foodは元々、PapirØenという中心部に近いエリアの、海に面した大きなウエアハウスに、いくつものレストランが屋台のスタイルで集結し、ナイスな音楽に、外にも屋内にもテーブルと椅子が並べられて、多くの人たちに愛され続けた場所だ。

今回彼らは再オープンするにあたって、“Hack the future”をモットーとし、サスティナブルなフード、職人や文化にフォーカスを当てた。現在、約4,000㎡の敷地内と、約5,000㎡の野外スペースに、70以上の屋台やバー、ワークショップスペースがある。元々はエンジンを修理する工場だった場所に、そのままの状態をうまく活かし作られ、屋台などはなるべく廃材をリサイクルしたものを使用しているそう。

Photo by Natsuko Natsuyama

元々のインダストリアルなエリアをそのまま活かしながら、興味深い建物が並んでいる様子をぶらぶら歩いて眺めているだけでも楽しい。

Photo by Natsuko Natsuyama

そこで提供されている料理に関しても、なるべく食材はオーガニックであり、リデュースとリユースを心がけることとなっている。具体的には、堆肥にできる食べ物を提供し、なるべく食料廃棄を減らし、できるだけオーガニックやローカル食材、放し飼いによって育てられた肉、魚類を利用することが教義づけられている。ゴミに関しても、なるべくリユースすることが義務付けられているそう。まさにデンマークらしいフィロソフィーで、環境に配慮した画期的な遊び場だ。

Photo by Natsuko Natsuyama

ここにお店を出店するには、Reffenの運営者やボランティアスタッフ達による審査が行われるそう。コミュニティの理念に沿ったコンセプトで料理を提供することはもちろんのこと、オーガニックで作られたと認定されれば、場所台の賃料を安くできるそう。また出店者たちは、コミュニティの理念に承認したと、サインをしなければいけないので、そのため全体のクオリティを下げることなくルールが継続されていくと見通されている。

料理のジャンルはアジア料理から、アフリカン、イタリアン、メキシカンからアイスまで、種類豊富でどれにするか決められないほどにある。

こちらはアフリカン料理屋のbao bao。アフリカンカレーのようなもの、65kr(1150円ほど)。コペンハーゲン市内の価格と比較すると安い方。

いくつかのスピーカーが設置されていたり、内側の席や海側の席まで数多く選択肢があるので、座る場所によっても雰囲気が変わってくる。

Reffenは、朝の10時から夜の10時まで営業されているので、色んな用途で使える。タイミングによってはDJやバンドなどが演奏していることも。旅行者と地元の人が交わって、まるでそこで毎日お祭りが行われているかのよう。日本で言う所の、海の家の存在に近いかもしれない。

Photo by Natsuko Natsuyama

コペンハーゲン発、東京やNYにもお店を構えるミッケラーのブリュワリーもある。ここは市内で一番大きなミッケラーだ。

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もちろん海辺なので、サンセットを見るスポットとしてもオススメ。コペンハーゲン市内には高いビルが無いので、ある程度どこにいても綺麗なサンセットがみれるが、海沿いは特に見晴らしがいいのでサンセットを眺めるには絶好のスポット。

Photo by Natsuko Natsuyama

以前Street Foodがあった真横には、アートギャラリー“Copenhagen Contemporary(コペンハーゲン コンテンポラリー)”が存在した。そちらも以前同じタイミングでクローズし、再びReffenのすぐそばに再オープンした。

Photo by Natsuko Natsuyama

元々のコンセプトと同様、広々としたスペースを贅沢に使った、インスタレーションと映像作品が展示されてある。Reffenまで行く際には、立ち寄って見るのもいいかもしれない。

デンマークのサスティナブルでエシカルな精神に基づいて作られた新たなスポット。地元の人や旅行者が入り混じっている様子も、コペンハーゲンらしい。

夏場でも海沿いは気温がかなり低くなる。夜に近づくにつれかなり冷え込むので、充分な防寒着を持っていくことをオススメする。

Photo by Natsuko Natsuyama


All photos by Natsuko Natsuyama

Reffen
Refshalevej 167A, 1432 Copenhagen, Denmark.

NATSUKO

モデル・ライター
東京でのモデル活動後、2014年から拠点を海外に移す。上海、バンコク、シンガポール、NY、ミラノ、LA、ケープタウン、ベルリンと次々と住む場所・仕事をする場所を変えていき、ノマドスタイルとモデル業の両立を実現。2017年からコペンハーゲンをベースに「旅」と「コペンハーゲン」の魅力を伝えるライターとしても活動している。
Instagram : natsuko_natsuyama
blog : natsukonatsuyama.net