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		<title>食をめぐる問題 3</title>
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		<pubDate>Fri, 19 Jul 2019 06:00:52 +0000</pubDate>
		<dc:creator>NewSphere</dc:creator>
		<category><![CDATA[Wear Your Values]]></category>

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<p>　自分が肉を食することをやめるという決断をする前は、菜食主義というものにどこかストイックなイメージを抱いていた。実際、私の周りに常に一定数存在したベジタリアンには、ヨガやスピリチュアリティの鍛錬にストイックに精を出すタイプの人たちが多かったし、彼らに付き合って「ベジタリアンのための店」を訪れるたびに、どこか味気ない気持ちを抱いていたのも事実だった。近年アメリカでは「ベジタリアン向け」でない一般的なレストランでも、ベジタリアンやビーガンたちに対応したメニューを出すところが増えたこともあって、彼らと一緒に食事をするにも、普通のイタリアンやニューアメリカンのレストランに行くことが増えていたのである。</p>
<p>　ところが自分が肉食と決別してニューヨークを見回してみると、「プラント・ベース（植物性の食材オンリー）」の店がいつの間にか増えていた。菜食やビーガンの人たちのために作られたGPSベースの地図アプリ〈ハッピー・カウ〉をダウンロードしてみると、旧世代のベジタリアンの店が野菜や穀物だけ、あるいは大豆ミートを出す店に偏っていたのに比べ、近年になってオープンした店は、見た目もこれまでの菜食主義の店とは一線を画す楽しげなムードをたたえているし、ただストイックに野菜や穀物を出すだけでなく、ベジタリアンでない客にもアピールする創意工夫をしていた。</p>
<p>　たとえばニューヨークには、常に店の前に行列ができる「スペリオリティ・バーガー」という、2015年に開店したハンバーガー屋がある 。そもそもバーガーのために並ぶという習慣を持たない自分は、ただのバーガーの店かと思っていたのだが、ここは野菜をふんだんに使ったコロッケのようなものをパテのように焼く人気店なのであった。チャイナタウンの端には「ジャジャジャ・プランタス・メキシカーナ」というメキシコ料理店が2017年にオープンして、またたく間に人気店に成長した。イーストビレッジには乳製品を使わないピザの店「ダブル・ゼロ」が登場して、一見高級なムードの中でイタリアンの新解釈を披露している。</p>
<p>　他にも、牛のミルクを使ったチーズを嫌う人のために、チーズを作るのと似た工程でカシュー・ナッツを発酵させて作った「チーズ」を出す「ドクター・カウ」という店が、ブルックリンのウィリアムズバーグにできた。最近のコーヒーショップでは、牛乳の代わりになる「ノン・デアリー（非乳製品）」ミルクの選択肢を、オーツ・ミルク、カシュー・ミルク、ヘンプ・ミルク、マカデミア・ミルクなどに広げるところが増えている。動物性の食材をやめたい、減らしたいという人たちのための選択肢がどんどん多様になっているのだ。</p>
<p>　私自身、ヴィーガニズムを実践する数カ月間、こうした新世代の菜食主義の店のおかげで、ストイックどころか、楽しい食生活を送ることができた。体調はぐんぐん良くなり、自分のそれまでの食生活がどれだけ自分の体に合っていなかったかを実感することになった。</p>
<p>　ところが日本に帰国した途端に厳しい現実に晒されることになった。和食店で出汁（だし）に魚が使われていないメニューを見つけるのは難しいということは聞き知ってはいたが、日本では、肉を食べない選択をする人が存在するということはほとんど考慮されていない。「高菜チャーハン」を注文し、メニューはそう書いていないのにひき肉が入っていたこともあった。〈ハッピー・カウ〉を日本で開いてみるとベジタリアンの店の絶対数は圧倒的に少なく、しかもやはりニューヨークの「旧世代ベジタリアン」の店に似通ったストイックさがあって、菜食でない友人たちを連れて行くのが申し訳なくなることも多々あった。精進料理という素晴らしい伝統はあるが、毎日食べるわけにもいかない。日本にいることも多い私は結局、ビーガンを続けることをあっさりと諦め、「魚は食べる」ペスカテリアンに転向することになった。</p>
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