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		<title>アマゾンの話 ２</title>
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		<pubDate>Fri, 31 May 2019 02:00:37 +0000</pubDate>
		<dc:creator>NewSphere</dc:creator>
		<category><![CDATA[Wear Your Values]]></category>

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<p>　アマゾンが2018年12月に発表したニューヨーク進出計画には、いくつかの柱があった。まず、第二本部の建設地に選んだと発表したのは、ロングアイランドシティと呼ばれる、ニューヨーク市の中でもクイーンズ最南のエリアで、私が暮らすブルックリンのグリーンポイントからプラスキ橋を渡ってすぐの地域である。かつてはインダストリアルな地域だったが、ゾーニングが変わって住宅の建設が許可され、今は新築高層コンドミニアムがどんどん建つようになった。ニューヨークでは近年、「ミドルクラスが暮らせない街」になりつつあるとの危機感が広がっている。だからこそ、アマゾンがやって来るとの報にうんざりする空気が漂ったわけである。</p>
<p>　もうひとつの柱は、約2万5000人の新規雇用だった。アマゾンは「平均15万ドルの年俸」に言及したが、その一方で、これまで同社が倉庫で働くスタッフに最低賃金程度の給与しか払ってこなかったこと、労働組合運動を妨害・圧迫してきたことなどが報じられた。失業率が全米の平均より低いニューヨークで、そもそもこの雇用創出が必要なのかという声も上がった。</p>
<p>　こうした情勢に対する、ニューヨークのコミュニティグループや運動家たちの行動は早かった。アンドリュー・クオモ知事とビル・デブラシオ市長だけが知っていたと思われる誘致計画に反発した、ニューヨーク選出のアレクサンドラ・オカシオ＝コルテス下院議員、そして市議会の一部議員たちや労働運動団体などが参加して、すぐにロングアイランドシティでアマゾンにノーを突きつけるための集会が組織された。また、誘致計画発表直後から地下鉄の構内やストリートで「No to Amazon（アマゾンにノー）」の署名運動が実施されたし、アマゾンのプライム・メンバーシップをキャンセルしようとの運動も盛り上がった。その過程で、アマゾン・プライムの無料発送のために運送業者が圧迫されていること、また、メンバーシップを持つことがアマゾンのやり方を黙認していることになってしまうとの啓蒙活動が進んだ。</p>
<p>　ニューヨーク市への進出の発表まで、市議会議員たちと水面下で交渉を繰り返していたとされるアマゾンだが、もっともプログレッシブな議員たちはアマゾンの代表との会合を拒否し、公聴会の開催を主張した。ニューヨーク代表たちの要求に応えるかたちでアマゾンの代表が結局出席しての公聴会が開催されたときには、多数のアクティビストたちが「No to Amazon」のバナーを議場に掲げた。</p>
<p>　普段こうした公共の場に登場することのめったにないアマゾンだが、代表して公聴会に出席した役員のブライアン・ヒュースマン氏は、左派の議員たちの厳しい質問を受けて、当惑したように「私たちは招待されてニューヨークにやって来たのです」と発言した。が、それでもニューヨーク市民を納得させることはできなかった。その後は、市長や知事がアマゾンを引き留めるために交渉を続けたというが、結局のところ、アマゾンは最初の発表から約2カ月後の2019年2月に、ニューヨーク進出計画を撤回した。</p>
<p>　このニュースに、ニューヨークのプログレッシブな運動家たちは沸きに沸いた。アマゾンの誘致を望んだ支持派たちには「雇用の喪失」と表現する向きもあったが、ニューヨーカーたちはアマゾン進出の中止をおおむねポジティブに受け止めたように見えた。</p>
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