ソーシャルレンディング メリットとデメリット|抑えておきたい知識と前提

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 ソーシャルレンディングを始めたいという方は、比較的金利が高いといったメリットから興味を惹かれたのではないでしょうか。ただし、ソーシャルレンディングのデメリットも把握しておかなければ、投資リスクに気づかず大きな痛手を負ってしまう、という事態にもなりかねません。そこで、投資型クラウドファンディングの仕組み、メリットとデメリットについて解説します。投資に際して最低限知っておきたい事項になるので、しっかりと知識を抑えておきましょう。

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1. ソーシャルレンディングと投資型クラウドファンディングの違いとメリット・デメリットとは?

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 ソーシャルレンディングは「融資型クラウドファンディング」のこと
 クラウドファンディングが投資対象として注目されている中で、まずは基本的な仕組みを把握することから始めましょう。ソーシャルレンディングとクラウドファンディングは類似しているが同じものではないので、知識の整理が必要です。ソーシャルレンディングとは、法人などが特定の目的でインターネットを通じて不特定多数の出資者から資金を調達する仕組みで、投資型クラウドファンディングの一種類になります。

 一方、クラウドファンディングもソーシャルレンディングと同じく、インターネット上で不特定多数から資金を集める仕組みです。クラウドファンディングは寄付型・購入型・投資型の3種類があり、さらに投資型はファンド型、融資型、株式型に分けられます。このうち融資型クラウドファンディングがソーシャルレンディングとも呼ばれてるのです。
 

投資型クラウドファンディングの3種類について詳しく知りたい方はこちら
投資型クラウドファンディングはさらに3種類に分けられる。それぞれの特徴とは?

 一般的な寄付型および購入型クラウドファンディングと投資型クラウドファンディングは、特徴的なポイントが2つあります。1つ目は、金融商品に該当するか否かです。ソーシャルレンディングでは株式投資の配当金のように分配金が支払われることが一般的で、金融商品として位置付けられています。一方、購入型クラウドファンディングは、支援の対価として商品やサービスを受け取るため、金融商品には該当しません。2つ目は、資金提供者の位置付けです。ソーシャルレンディングの資金提供者は投資家に該当しますが、購入型クラウドファンディングは提供資金は支援者という位置付けになります。

 ソーシャルレンディングにおけるメリット
 ソーシャルレンディングの主なメリットとして以下の4点があげられます。1つ目は、定期預金口座などと比較して利回りが高めであることです。概して最低標準でも4%を切らない利回りは、マイナス金利が普通の現代においてかなり魅力的な高金利です。2つ目は時間や手間などの運用コストがあまりかからないことです。一度資金提供を行えば運用期間終了まで待つ、という投資の形になるので値動きなどに一喜一憂する必要がありません。

 3つ目は、短期運用も可能であることです。ソーシャルレンディングの運用期間は、多くの場合3カ月から1年程度になっています。数カ月の運用で済むため、試しやすいでしょう。最後の4つ目は、少額でも運用できることです。数十万円以上の投資資金が必要となることが多い株式投資などと比較すると、最小で1円から始められるソーシャルレンディングは投資へのハードルが低いのではないでしょうか。

 ソーシャルレンディングのデメリット
 ソーシャルレンディングの主なデメリットも把握しておきましょう。1つ目にして最大のリスクは、資金提供先で発生する元本割れです。貸し倒れとは、貸した資金を返済されず戻ってこない状態のことをいいます。殆どのソーシャルレンディング業者はノンリコースローンで投資家から資金を集めていますが、ノンリコースローンとは担保にしている範囲以上の損益の責任を負わない形で資金調達をする仕組みです。ソーシャルレンディングにおける担保はプロジェクトの進捗になるので、そのプロジェクトが行き倒れた場合に債務不履行になり元本割れとなってしまいます。

 2つ目のデメリットは、投資期間中は解約できないことが多いです。運用期間中、投資済みの資金は拘束されることを認識しておきましょう。3つ目は、早期償還リスクがあることです。早期償還が行われると、予定通りの運用成果が上げられない可能性があります。また、運用期間が終了しても資金返済日の延長を申し入れられることもあるでしょう。

 メリットとデメリットをまとめると、ソーシャルレンディングは比較的高金利で安定性もある投資対象ですが、上記のように元本割れのリスクもあるミドルリスク・ミドルリターンであることがわかります。世の中にはさまざまな投資対象が存在する中で、自分が知っているものだけを投資対象としてしまうと、せっかく利益が得られるチャンスを逃してしまうことにもなりかねません。比較的新しい投資手法であるソーシャルレンディングについて概要を理解し、検討対象に加えてみるとよいでしょう。

2. 初心者でも可能?投資型クラウドファンディング

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 そもそも投資とは?投資の基本について
 投資型クラウドファンディングは、投資の一種です。各種投資のなかでも投資型クラウドファンディングはほかの投資よりもリスクは低めで、比較的気軽に始めやすいでしょう。ただし、投資初心者は、資金を投じる前に投資とは何か、投資をする上での前提を知らなければなりません。投資とは、中長期的な目標を持って資産を増やしていくことをいいます。貯蓄が、いつでも使える状態を保って貯めていく運用方法であることと比較して、投資の場合は企業などの事業者やプロジェクトに資金を投じリターンを狙って「増やす」ことが特徴です。ただし、投資にはリスクが伴います。貯蓄は主に元本が減らない金融商品で行いますが、投資は増える可能性がある一方で減少するリスクがあるというのが基本的な前提と言えるでしょう。

 投資の種類は?自分にあった運用方法
 代表的な投資の種類は、11種類あります。1つ目は、株式投資です。企業に出資して株主になります。投資することで株価の値上がり益や配当金を受け取れる可能性がある一方、値下がりするリスクもあります。2つ目は個人向け債券投資です。国が発行する国債や事業者などが発行する社債を購入します。満期まで保有すれば額面金額が戻ってくるうえ利息ももらえることがメリットです。ただし、途中売却で売却損が出る、会社が倒産すると投資額を失うなどのリスクもあります。3つ目は、投資信託です。株式や債券などのパッケージ商品で、複数銘柄で構成されるため価格変動リスクが抑えられており、少額でも投資できる特徴があります。

 4つ目は、ETF(上場投資信託)です。投資信託の一種で、株式のように機動的に取引でき価格変動リスクがあります。5つ目は、不動産投資です。賃貸アパート経営などを行うことによって、賃貸料を得る長期目線での投資手法になります。6つ目は、REIT(不動産投資信託)です。賃貸不動産事業を投資信託にしたもので、実物不動産を取得しなくても賃貸利益が得られるという特徴があります。不動産投資・REITともに、値下がりする可能性もあるため注意が必要です。

 7つ目はiDeco(個人型確定拠出年金)です。個人事業主や公務員、専業主婦などが利用できます。継続的に掛金を拠出して運用することで、将来年金の形で資金を回収します。8つ目は、近年加熱していた投資熱が収まりつつある仮想通貨です。金融商品ではありませんが、値動きがあり投資対象となります。9つ目は、金(ゴールド)です。利息はつきませんが、いつでも換金価値があり経済状況がよくないときなどのリスクヘッジ資産として利用されています。10個目は、FX(外国為替証拠金取引)です。外国通貨の売買を行う取引で、FX業者に少額の証拠金で大きな金額の取引ができる反面、大きな損失を被るリスクに注意が必要でしょう。11個目が投資型クラウドファンディングです。初心者でも比較的低リスクでできる魅力があります。

 地域活性化を応援。クラウドファンディングの活用法
 クラウドファンディングを利用すれば、気軽に地域貢献や復興支援などができます。投資型に限らず、さまざまなクラウドファンディングも活用されるようになってきており、たとえば、地域経済活性化のために地域金融機関などがクラウドファンディング事業者と協業して行う新産業サポートがあります。神奈川県鎌倉市ではふるさと納税制度を活用したクラウドファンディング(「漫画『鎌倉ものがたり』一色先生の足跡板設置プロジェクト」)によって観光環境の整備を行ったという事例もあります。自治体や地域金融機関などとクラウドファンディング事業者が協業すれば地域に密着した事業を進められるので、クラウドファンディングを通じて地域の発展に貢献するという選択肢も生まれてくるでしょう。

3. 最低投資金額は1万円。不動産投資型のクラウドファンディングとは?

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 近年、不動産投資型のクラウドファンディングが注目される理由
 クラウドファンディングにおいては不動産が投資対象になる不動産クラウドファンディングが注目を集めています。不動産特定共同事業法という法律が改正されたことにより、事業への参入障壁が低くなったことも注目されるようになった要因でしょう。不動産投資型クラウドファンディングとは、不動産投資に特化して運営されるタイプのクラウドファンディングです。主に、賃貸不動産への投資を事業内容としている企業やプロジェクトが資金を集めるときに利用されています。また、不動産投資信託と比較すると、少額でも投資できることも特徴です。不動産投資をしたいが賃貸不動産経営まではやりたくない、という人にも適した投資であるといえます。

 ソーシャルレンディングでも、不動産が投資対象になるものがあります。ソーシャルレンディングの不動産投資型と、クラウドファンディングの不動産投資型の違いは、資金の貸し借りが発生するかどうかです。ソーシャルレンディングでは、投資家から集めた資金を、不動産事業を行う者に貸し付けて、返済を受けることで利益を得ることになります。一方、クラウドファンディングの場合は、投資家からの資金で実際に賃貸不動産を直接取得する仕組みです。資金を投じた事業者が賃貸不動産を取得・運営するため、外部に対して資金の貸し借りが発生しないという特徴があります。

 不動産投資型のクラウドファンディングのメリット・デメリット
 不動産投資型のクラウドファンディングの主なメリットは、3つあります。1つ目は、少額でも投資できることです。1口1万円から投資できるタイプもあり、実物不動産投資やREITと比較するとかなり少額でリスクを抑えてリターンを狙って投資できる魅力があります。2つ目は、投資家同士でコミュニケーションをとれるものがあることです。投資家同士の情報交換ができれば、リスクの把握やクラウドファンディングの適正な運営につながるでしょう。3つ目は、リスク許容度によってさまざまなタイプから選べることです。リスクの許容範囲は人によって異なるため、適したクラウドファンディングを選ぶことがポイントになるでしょう。

 不動産投資型のクラウドファンディングの主なデメリットは、2つあります。1つ目はやはり元本割れです。基本的にリスクは少ないのですが、不動産相場が暴落した場合は投資家への返金のために不利な価格で売却されてしまうことがあります。そうなると、元本が毀損するリスクがあるのです。2つ目は、レバレッジを利かせられないことです。投資型クラウドファンディングは、投資家から集めた資金だけで賃貸不動産を取得します。集めた資金以外に金融機関などから低利借入を行って物件取得に充当すれば、レバレッジ効果で投資家の利回りは向上します。しかし、不動産投資型クラウドファンディングでは融資を受けて物件を取得することが原則としてできない仕組みです。

 不動産クラウドファンディングは、物件所在地が公開される仕組みです。実際の不動産投資に近い性質があるといえるでしょう。投資前に、実際の物件の築年数や用途、管理状況などについて独自に調べることによって、リスクを低減できます。

4. まとめ

 今回お伝えしてきたソーシャルレンディングのメリットは、以下にまとめられます。

・ソーシャルレンディングは投資型クラウドファンディングの一種で、融資型クラウドファンディングのことを指します。
・ソーシャルレンディングのメリットは運用コストが少ない上で定期預金等より金利が高く、デメリットは元本割れのリスクが定期預金より高いことです。
・不動産もクラウドファンディングの仕組みを利用した投資がありますが、集まった資金を貸付という形で融資するか、不動産を直接取得して運営してリターンを得る形になります。

 ゼロ金利が当たり前の世の中で、新たな投資対象として注目を集めるソーシャルレンディング。前提となる知識とメリット・デメリットを把握して、賢く資金運用をしてみてはいかがでしょうか。

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Text by NewSphere 編集部