「世界の恐ろしくも美しい橋」20選 足元はガラス張りの橋、ツルだけでできた日本の秘境の橋も

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◆5. 氷河時代からのバランス「仙人橋」
 近代的な観光スポットの紹介が続いたが、素朴な造りの橋もまた、違った種類の恐怖をもたらすものだ。原始的な材料で架けられたいくつかの橋を見てみよう。中国・山東省、道教の聖地である泰山の山頂には、その名も「仙人橋」という天然の橋がある。岩肌の間にまるで誰かが置いたかのように巨大な岩が挟まったまま、不思議なバランスを保っている。科学者の調査により、少なくとも氷河期からこの状態が続いていることが判っている。

◆6. 160年前の木造橋「ウー・ベイン橋」
 原始的な素材といえば、木製の橋の恐怖もなかなかのものだ。ミャンマーの「ウー・ベイン橋」は、160年以上も前に架けられた木造橋だ。タウタマン湖の湖上およそ1.9キロにも渡り、木材だけでシンプルに組み上げられた橋桁が延々と続く。油分を多く含み、腐食に強いとされるチーク材で構成されるが、さすがに年月には勝てず。いまではすっかり腐敗が進み、床版に一歩踏み出すたびに軋みが響く。橋桁の基礎はところどころ洗い流されており、隣の桁に支えられて浮いているだけの状態だ。水面下の状態はあまり考えないほうが、幸せに渡れるかもしれない。

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Text by 青葉やまと