写真家のジェラール・ウフェラス(Gérard Uféras)は、6年間にわたりスカラ座バレエ団の舞台裏に立ち入ることを許可され、同劇場のミュージアムで開催される新しい展覧会と、まもなく出版される本の中心となる一連の感情的で率直なポートレートを制作した。

Photographer Gerard Uferas poses during the unveiling of the photo exhibition ‘Lo sguardo nascosto’ ( The hidden gaze), at the La Scala Opera House in Milan, Italy, Tuesday, Feb. 11, 2025. (AP Photo/Luca Bruno)
オペラ座の総支配人ドミニク・マイヤーは、オペラのイメージが強いこの劇場でバレエの展覧会を開催するのは「珍しい」と話した。
しかし、「隠された視線、幕の向こうのダンス」と題されたこの展覧会は、バレエがこの劇場の創設以来の使命の一部であることも強調している。展示の最初の部屋にある年表には、1778年8月3日にスカラ座が初演したアントニオ・サリエリの「L’Europa riconosciuta」が2つのバレエが伴奏されたことが記されている。

AP Photo/Luca Bruno
スカラ座バレエ団の団長マニュエル・ルグリは、「特別な瞬間を見つける」ために、ウフェラスに舞台裏やリハーサル場を歩き回る「完全な自由」を与えたと語った。

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展示された写真の中には、スカラ座のスタープリンシパルダンサー、ニコレッタ・マンニが、夫でプリンシパルダンサーのティモフェイ・アンドリヤシェンコと舞台裏で抱擁を交わすところがキャッチされていたり、彼女が舞台上ですべてを出し切った後、完全に降伏した表情を浮かべた場面も含まれている。魅惑的なタイトル写真は、白いチュチュを着た若いバレリーナが舞台のカーテンの後ろから覗いている後ろ姿を示しており、フランスの印象派の画家、エドガー・ドガの作品を思い出させる。

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登場の準備をしているダンサーたちが、舞台裏で足を広げて倒れ込み、逆光にさらされている様子を、ステージライトの上から撮影されている。

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「あなたの作品は、私たちの芸術に命を吹き込んでくれます」と、ルグリは展覧会に付随するビデオでウフェラスに語った。
写真には、モノクロもあればカラーもあるが、ロマン派時代の流れるようなスカートから現代的なショートドレスまで、カテリーナ・クレパックスによるバレエ衣装の白い紙の彫刻に散りばめられている。トンボをモチーフにしたバレエ・ドレスは、スカラ座のスターでプリンシパル・ダンサーの故カルラ・フラッチに捧げられた。
スカラ座ミュージアムでの展示は、9月14日まで。展覧会に付随する書籍は今月末に出版される予定。

写真家ジェラルド・ウフェラスによる写真展「Lo sguardo nascosto」(隠された視線)AP Photo/Luca Bruno
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By COLLEEN BARRY Associated Press
MILAN(AP)