端正な顔立ちが美しいColliu(コリュ)は、モデルであり、アーティストの一面も持ち合わせている。

2018年5月から2つの展示を行う前に、作品を自身のイラストが描かれたクリアバッグに入れて、緑茶と塩昆布、あんみつを食べながら気勢を語ってくれた。彼女のルーツや環境、オリジナリティ溢れる作品はどのように制作されているのだろうか。

– どんな子供時代を過ごしましたか? アーティストとしての活動をどのように始めたのですか?

「10歳の頃から3年間、父の仕事の関係で香港に住んでいました。それまで育ってきた環境から異国の地に移住したことは、物事の考え方や自分が思っている常識が覆されることも多くありました。日本人学校に通っていましたが、全国津々浦々から生徒が在籍していたので、かなりカルチャーショックがありましたね。当時の香港は激動の時代で、何かしらを肌で感じた影響はあると思います。基本的な価値観が変わったというか、とりあえず何かをやってみる、というスタンスが作られたのではないかな。将来、特に物作りに憧れはなかったですが、小学校の社会科見学でロブスターの研究をしてる方がいて、魚の研究家になりたいと思ったことはありました。研究家というイメージが格好良く感じて。
その頃から、教科書の端っこに落書きを描いたりするのが好きで、大学進学する時にデッサンなどを学び美大に進みましたが、在学中はあまり作品を作らず、展示はしていませんでしたね。声を掛けられてモデルをすることも多くなり、今の事務所に入りました。その時期に友達がグループ展に誘ってくれて初めて展示をしたところ、自分の中で面白みを感じ、そこから真剣に作品と対峙し始めました。そういった展示を観てくれた方々が声を掛けてくださり今に至ります」。

– 子供時代に環境の変化がありカルチャーショックを受けたことが、物事に対するスタンスに影響してる部分があるのですね。ご家族から受けた影響などはありましたか?

「父は調べることが好きな性分で、祖父は研究職だったので、研究気質でこもり気味という点では私も似ているかもしれません。兄がいますが、私と性格が真逆で堅実なサラリーマンですね。アーティスト活動に関して家族の反応は、『頑張って』と応援してくれるし、祖母の家に作品のアーカイブを置かせてもらったりして助かります」。

– 作品制作をしていない時の好きな過ごし方は? Colliuさんがインスパイアされた人物やモノはありますか?

「家では映画をよく見ます。漫画もかなり好きですね。兄の影響でジャンプを読んでいたこと、大島弓子さんは自分にかなり影響を与えていると思います。最近は、友達に薦められた『乙嫁語り』にハマっていて、舞台が中央アジアが背景なのですが、細かい民族衣装をふんだんに描いてあるのが可愛いくて。
高校生の時、桜木町の高架下にはカッコいいグラフィティがたくさんあったので、自分も影響されてグラフィティの画集を買ったりもしました。自分の中のカルチャーの礎を築いた多感な頃でもありました。絵を描き始めた頃は、リアルなものを写実的にスケッチするよりも、漫画やグラフィティなど具象化されたものを真似ていたりもしましたが、美大に行き、ひと通りマチスやピカソなどの巨匠の絵に触れることにより、漫画やストリートアートとは違った目線で見るようになったので、本当にピカソはいいなぁと思ったり、色彩や形状感覚を学んだかもしれません。

グラフィティが面白いのは、他人の所有物に自分の痕跡を残して自分のもののようにしてしまう感覚が面白くて、特に私は目だけを上書きするスタイルのグラフィティに興味を惹かれて、オリジナルの目をを作ろうと思いました。目って、アイデンティティだし、自己流の目を開発できれば多用できると思い、最初は黒目の中に稲妻の形のハイライトを描いていたのですが、段々と簡略化されて、現在の作風が出来上がりました。それには漫画好きなルーツも少なからず影響されていて、ちょっとセンチメンタルな気分を呼び起こす表現ができるし、自分の描いた目を上書きすれば老若男女も人間動物関係なく、自分のキャラクターにできるという自由さが好きです」。

– Colliuさんが作品を通して伝えたいこと、これからの展望について教えてください。

「『作品を通して伝えたいこと』は、自分が思っていることをダイレクトに他人と共有するよりも、その空間に足を踏み入れた人が、何を感じてくれるか。体験やリアクションとして、ワクワクさせたいとか、リラックスして欲しいとか、自分が何かを伝えたいということよりも、何かを感じられる空間を作りたいと思っています。でも、自分の個人的な感情は意識しなくても、何となく反映されてしまったりするから、滲み出た部分に共感してもらえるのは嬉しいけど、一番大切なのは、見た人が自発的に何かに思いを馳せたり、沸き上がってもらえる気持ち。ポップな色使いも、作品を通じて、ポジティブな気持ちを呼び起こして欲しいということはあるかもしれません。
それと、元々は私の創作は落書きから始まったけれど2次元よりも今私たちが生活している3次元の空間で表現することを強く意識していて、それも「体験」という形で鑑賞者に関わってもらいたいという思いからです。

今後は、パブリックアートなど屋外で展示したいですね。ギャラリーや建物の中ではなく、ひらけた場所でドンっと!体験してもらいたい。作品に対する人との関わり方がより身近になるので、実際に触れたり、子どもが遊べる公園や様々な公共施設に作品を設置できれば嬉しいですね」。

COACH Signature Collection × Colliu , March. 2018

Colliu

アーティスト兼モデル。
武蔵野美術大学油絵学科卒業。ポップな色合いと目が特徴的で図形的な人間や古典モチーフなどを、ドローイングや立体作品を通して表現している。新宿ニューマンのウィンドウディスプレイや、RADWIMPS「棒人間」の絵本作成など活動は多岐に渡る。COACHとのアートコラボレーションを行ったばかり。

http://colliu.com/

【Information】

New pure plus
展示タイトル未定
展示期間 2018年5月19日(土)〜6月3日(日)
場所 〒541-0047 大阪市中央区淡路町1-1-4

hitoto
展示タイトル “KAN-KAN-NI”
展示期間 2018年5月26日(土)〜6月9日(土)
場所 〒530-0041 大阪市北区天神橋5-7-12 天五共栄ビル301
※大阪の展示情報はこちら

最新の個展「KAN-KAN」では、今までに作った立体作品を、カメラマンのHirokazu Kobayashiとインスタレーションして撮影したものを展示。