『ゴースト・オブ・ツシマ』海外で最高評価の理由は? 英米豪紙の注目点

Sucker Punch Productions

◆圧倒的グラフィックで生きた自然を再現
 作品内では、目を奪うような美しい日本の原風景が圧倒的なグラフィックで再現されている。ガーディアン紙(7月14日)は「これは日本の比類なき自然の美しさを、非の打ちどころがないほど印象的に描いた作品だ」と述べ、その映像美を強調している。

 とはいえ、近年のハードの進化に伴い、映像の美しさだけでは独り勝ちが難しくなっているのも事実だ。そこで『Ghost of Tsushima』は、ガイダンス・システムの工夫によって世界観の統一を図った。時代物にふさわしく、マップは墨で描いたような素材感となっている。また、次に行くべき場所は画面内の風向きによって示されるため、そもそもマップを開いてゲーム内の視点から切り離される機会が最小限に抑えられている。ワシントン・ポスト紙は「こうしたヘルプ要素に表されるようなディテールは、大なり小なりプレイヤーを自然なやり方で(ゲーム内の)世界と結びつけている」と述べ、没入感の高さを評価している。同紙は「イノベーティブな機能」だとも述べ、今後ほかのゲームタイトルでも採用されるような規範となるだろうと予測している。

 ニューヨーク・デイリーニューズ紙も同様に、ミニマップに頼らずに進行できるナビゲーション・システムを高く評価している。マップを参照することでゲーム世界から一瞬引き戻されるような感覚が生じず、無限の広野の探索に没頭できるシステムが好評だ。また、オープンワールドでは一般的な手法になりつつあるが、珍しい動物を追っているうちに体力を回復できる温泉にたどり着くなど、プレイヤーの探索をさりげなくサポートするような自然な誘導も万全だ。こうした体験があるため、対馬という島自体がひとつの生きたキャラクターのように感じられる、と同紙記事は述べる。オープンワールドの基本に立ち返り、広大なフィールドをストレスなく探索することを追求したことが、好意的なレビューにつながっているようだ。

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Text by 青葉やまと

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