『ゴースト・オブ・ツシマ』海外で最高評価の理由は? 英米豪紙の注目点

Sucker Punch Productions

◆邪道な戦い
 伝統的な時代劇を取り入れた『Ghost of Tsushima』だが、その最大のオリジナリティは、むしろ正当な武士の戦いを外れた戦闘スタイルにこそある。高所からの奇襲や弓と爆薬の使用など、時代劇に登場する侍からはおよそ想像もできないような戦法が可能となっている。

 作中、仁は幼少期から伯父・志村に叩き込まれた武士道の精神をかなぐり捨て、実利重視の戦法へと傾いてゆく。武士としてはまずは高らかに名を名乗ってから正面を切って戦いを挑みたいところだが、浜辺での戦いで惨敗した仁は、海外勢を相手にそのような作法が通用しないことを痛感する。そこで掟破りの戦法に手を染めてゆくわけだ。ガーディアン紙は、侵略者を駆逐するために渋々ながら不正な戦術を使い始める、と紹介している。正対の姿勢から刃を交えるだけでなく、屋根の上を忍者のごとく密かに駆けるなど、予想を超えた幅広いアクションが用意されている。

 武士道に背くこれらの行いは戦闘のバラエティを広げるのみならず、物語に深みを加えている。ワシントン・ポスト紙(7月17日)の記者は、「仁が自身の道徳観の根底にあるものを曲げる必要性に揺さぶられるのは見ていて楽しかった」と感想を述べ、主人公の迷いを描いたストーリーを称賛している。出会うメインキャラクターのすべてにこのような興味を惹くバックグラウンド・ストーリーが見え隠れし、各々の生き様を想像させるという趣向だ。

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Text by 青葉やまと

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