ビットコイン大手Mt.Goxが経営破綻 “技術オタク”CEOのお粗末な対応

 インターネット仮想通貨「ビットコイン」の最大手取引所、マウントゴックス(東京都渋谷区、CEOはフランス人マルク・カルプレス氏)が、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。ガーディアン紙によると、資産38.4億円に対し、流動負債(期限の近い負債)65億円、債権者は12万7000人いるが日本人は1000人あまりだという。

【資産の10倍以上を盗まれる】
 同社は技術的な欠陥から、5億ドル近い金額に相当する「自分の10万コインと顧客の所有である75万コイン近く」をハッカーに盗まれたとされている。同社は2月上旬から取引を停止、25日にはWebサイトも一時閉鎖した。ビットコイン自体の信用にかかわる事件であるにもかかわらず、情報を出さないことから、秘密主義と批判されていた。

 同紙は、技術的な欠陥について「トランザクション展性」という用語だけを報じている。同社のシステムではなく、ビットコイン自体の設計上の欠陥であり、これを突いて取引データを改ざんすることができるとのことだ。

【人見知りな親日オタクのフランス人】
 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、記者会見におけるカルプレスCEOの様子を描写した。2009年から日本在住で、知人によれば物腰柔らかく、「技術オタク」を自任しているカルプレスCEOは、「いつものTシャツではなくグレーのスーツにネクタイ」で現れた。「穏やかで控えめ、笑顔さえほのめかしているように見えた」が言葉少なで、発言自体を苦手としているようであり、1時間の会見のほとんどは弁護士が応対した。しかし日本記者の質問には日本語で答え、むしろ英語よりは日本語のほうが得意そうであったという。

 どこか憎めない姿にも思われるが、同紙は「何百万ドルもの価値がある、彼の会社の投資家の仮想コインすべてを失ったかも知れず、デジタル通貨の将来に世界的な懸念を焚きつけている男に期待される映像ではなかった」と評している。同紙によれば、何人かの投資家は資金を取り戻せる希望は少ないと、諦め顔だという。

【とってつけたようなコールセンター】
 CNETは、従来顧客の問い合わせに対し箝口令まで敷いていた同社が、3日からコールセンターを開設したと報じた。しかし再建に向けての本気の取り組みとは感じられなかったようだ。

 開設の告知は簡素なもので、センターの営業時間は日本時間で月曜日から金曜日までの午前10時から午後5時まで。債権者のほとんどは外国人であるが、欧米では夜間の時間帯となる(英語対応がされているのかどうかは報じられていない)。「民事再生手続き開始の申請に関するお知らせ」と題された告知は、いかにも規制当局の要求に従っただけの、非常に官僚的なやり方のように見えるという。

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Text by NewSphere 編集部