“ビットコインユーザーなど放っておけ” 海外が規制に動く中、日本の風潮はどう変わる?

 インターネット仮想通貨「ビットコイン」の最大手取引所、マウントゴックス(東京都渋谷区、CEOはフランス人マルク・カルプレス氏)が2月、一時業務を停止しWebサイトを閉鎖するなどした問題で、各紙はビットコインの規制に関する議論を取り上げている。

【山体崩落が疑われる秘境ゴックス山】
 マウントゴックスは、技術的な欠陥から、総流通量の6%にあたる75万ビットコイン(3.65億ドル相当)をハッカーに盗まれたとされている。同社は箝口令を敷き、顧客にも質問を控えるよう求めているという。各紙とも同社については「秘密主義」「collapse(崩落)」などと表現している。
 
 カルプレスCEOは26日、再開したWebサイト上で「私がまだ日本におり、最近の問題の解決策を見つけるために別の関係者の支援を受けて懸命に働いております旨、皆様にご安心いただきたいと存じます」と声明した。米連邦検察は同社、および他のビットコイン関連企業に召喚状を送付している。

【被害の少ない日本の当局もついに注目】
 ビットコイン決済は手数料が安いことや、また相場が乱高下する(昨年、1週間で50%以上の変化をしたことが2度もあった)ことから、投機目的においても注目されてきた。

 しかし、仮想通貨どころかクレジットカード決済さえ比較的低調な、現金文化の日本では、普及率が低いため、規制当局も注目してこなかった、とニューヨーク・タイムズ紙は解説した。同紙の紹介したビットコインのヘビーユーザー(日本在住の外国人)は、「誰も年金を失っていないし、政府が閉鎖されたこともなく、銀行手数料は合理的で、電子マネーは非常に高速で使いやすいのです」と、政府及び円に対する信用が高いとする背景を主張する。

 こうした中、菅官房長官は26日、規制も視野に情報収集を開始していると明らかにした。同紙は、日本の当局はビットコインを「通貨」ではなく「売買される方の商品」と捉えており、このようなものを扱う法は存在せず、(日本に限ったことではないが)規制以前に定義すら固めかねている、と報じている。

 また、本件は「円天」詐欺事件とも比較されがちだが、日本の専門家の大勢としては「ビットコインのユーザーなど放っておけ」という論調だという。

【規制への賛否】
 ビットコインはどこの国や中央銀行の監督下にもない存在だけに、野放しの状態ともいえる。マネーロンダリングに悪用されるとの懸念もあり、ロシアなどでは非合法とされている。

 ロサンゼルス・タイムズ紙は、米議会では「仮想通貨は現在規制されておらず、利用者が違法な活動に参加するのを放置し、非常に不安定で、我々の経済にとって破壊的であります」などとして、ビットコイン自体の禁止を求める声も挙がっていると報じる。

 それに対し、ビットコインの支持者らも「結集」しているという。例えば「あらゆる重要な新技術には産みの苦しみがあります。パソコンしかり、ウェブしかり。ビットコインも同様です」など、必要十分な規制のもとでビットコインを育てる考えといえるだろう。むしろ、マウントゴックスのような問題ある企業の退場は、擁護派からは歓迎であるという。

 また『フォックスビジネス』も、預金保証のための保険機構など、業界が自主的にセーフティネットを構築する可能性を示唆している。

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Text by NewSphere 編集部