米陸軍、レーザー兵器と極超音速ミサイルを装備へ ロシア・中国に対抗

U.S. Army photo by C. Todd Lopez / Wikimedia Commons

 米陸軍は、開発中の極超音速兵器(ハイパーソニック兵器)を2023年、レーザー兵器装備を2022年までにそれぞれ配備すると発表した。極超音速兵器の開発をめぐっては、急激に技術を伸ばしているロシアおよび中国との兵器開発競争が背景にある。

◆マッハ5を超える極超音速兵器
 米陸軍が開発中の極超音速滑空機は、輸送起立発射機と呼ばれる装置から発射される。これは9メートルほどの大きさの装置であり、戦務車両によって運搬される可動式のものだ。発射機から射出された滑空機が空中を極超音速で滑空し、搭載されたミサイルを発射する形となる。滑空機は現在ニューメキシコ州のサンディア国立研究所で開発が進められている。

 なお、極超音速とは音速の数倍の速度を意味するが、一般にはマッハ5以上を指すことが多い。今回の超音速兵器も、マッハ5を超える速度での飛行能力を備えるものとなる。UPI通信は、砲台から発射される極めて高速なミサイルのようなものであり、数千マイル先の敵を攻撃する能力を秘めていると解説している。

 ビジネスインサイダー誌(6月5日)によると、滑空機は2機1組で起立発射機に搭載される。トレーラーに積載した起立発射機を、HEMTTと呼ばれる8輪オフロードトラックが牽引する運用となる。2023年までの配備が予定されている。

>次のページ レーザー兵器も開発進む




Text by 青葉やまと