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トランプ氏「ロシアよ、クリントン氏のメールもハッキングして」に両陣営から集中砲火

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トランプ氏「ロシアよ、クリントン氏のメールもハッキングして」に両陣営から集中砲火

 米民主党のシステムがハッキングされ、2万通近いメールがリークされた問題で、共和党のドナルド・トランプ候補は27日、民主党のヒラリー・クリントン候補のメールについても、ロシアがハッキングしてリークすることを望むという旨の発言をした。自国へのハッキングを認め、歓迎するかのような発言に、民主党側は色めき立ち、「国の安全保障にかかわる問題」と非難した。共和党内からも、党重鎮や副大統領候補が、トランプ氏の発言を打ち消すような声明を出す事態となった。

◆「カオスな候補者」自国へのハッキングを歓迎
 クリントン氏は国務長官時代、私的なメールサーバーと私用のメールアカウントを使って、公務に関するメールを送受信していた。このことが問題視され、FBIや国務省から調査を受けていた。その時期に送受信したメールのうち、公務に関連する約3万通は国務省に提出したが、残りの私的なメールに関しては消去済みだとして提出しなかった。

 共和党側は、一連の問題について、クリントン氏の大統領としての適性に疑いを投げかけるものとして、批判材料に用いている。その文脈でトランプ氏の問題発言は現れた(27日、フロリダでの記者会見)。

「ロシアよ、聞いているか、私はあなたたちが、無くなった3万通のメールを発見できるのを期待している」「わが国の報道機関から、どっさり報酬をもらえると思う」

 さらに、記者からの、ロシアあるいは他の海外勢力がアメリカの選挙への介入を試みていることは、非難すべきでは、という質問に対しては、「いや、そのことで私はちゅうちょしない」「もしロシアや中国やどこの国でも、これらのメールを入手したなら、正直なところ、ぜひとも見たい」と答えた。

 このトランプ氏の発言は大騒ぎを引き起こした、とドイツの国際公共放送ドイチェ・ベレ(DW)は報じ、トランプ氏は無くなったメールへの自分の好奇心が国の安全保障よりも優先すると暗に示した、と語る。ワシントン・ポスト紙(WP)は、トランプ氏は自身がカオスな候補者だと再び証明した、と報じた。この発言は、騒動と論争を生み出すことについての同氏のいつもの水準から見ても桁違いだ、との旨を語っている。

◆トランプ発言は「国の安全保障の問題」?
 トランプ氏のこの発言は、民主党に、「メール問題」で同氏にやり返す絶好の機会を与えた。

 民主党側は、民主党全国委員会(DNC)のシステムへのハッキング、およびメールのリークについて、ロシア政府に関連する2グループの犯行の可能性が高いとの説明をサイバーセキュリティー会社や情報当局から受けており、ロシアがアメリカの選挙に干渉しようとしていることに非難の声を挙げている。クリントン氏の外交政策顧問、ジェイク・サリバン氏は、「クリントン氏はこの件を政治問題としてみていない。国の安全保障の問題とみている」と述べていた。

 そのサリバン氏はトランプ氏の発言について、「主要政党の大統領候補が、海外勢力に、自身の政敵に対しスパイ活動するよう積極的にそそのかしたのは、これが初めてにちがいない」「それは誇張ではなく、純粋に事実だ。このことは好奇心の問題、(国内)政治の問題を離れ、国の安全保障の問題になっている」と語った。DWはこれを、サリバン氏がトランプ氏の発言を「国の安全保障の問題」と評した、と捉えた。

 民主党員であるレオン・パネッタ元CIA長官は、発言は一線を超えたもので、「こういう発言は、彼には米大統領になる資格が全くないことを示すばかりだ」とCNNのインタビューで語った。

 また元NATO欧州連合軍最高司令官のジェームス・スタブリデス元海軍大将は、トランプ氏の発言は「ショッキングで危険」だと評した。この人物は民主党の副大統領候補の候補として名前が挙がったこともある。「実質的にわが国の選挙への干渉をけしかけることには、明らかに内政的な含意があるのに加えて、(対外的にも)同盟国としての信頼性の点で、アメリカはヨーロッパの信用をさらに損なうだろう――とりわけ、ロシアの冒険主義に直面している中では」とスタブリデス氏は語っている(ガーディアン紙)。つまり、選挙に向けた国内向けパフォーマンスとして発言したのだろうが、対外的にも、特にヨーロッパのNATO加盟国に対して悪影響のある発言だ、という趣旨である。

 トランプ氏のNATO軽視とも取れる態度は、このところのトランプ批判の1つの核を成している。バイデン副大統領は、トランプ氏は、ロシアに益することになるやり方でNATOの基盤を弱めようとしている、と主張した(同)。

◆共和党内からもトランプ発言を打ち消す発言が
 共和党内からも、トランプ氏の発言を打ち消すような見解が示されている。DWは、トランプ氏のロシアへの呼びかけは、クリントン陣営だけでなく、共和党の指導部、自陣営の副大統領候補の騒動も引き起こした、と伝えた。

 共和党下院議長ポール・ライアン氏の報道担当者ブレンダン・バック氏は、プーチン大統領とロシア政府がアメリカの選挙に干渉する筋合いはないとして、トランプ氏の要請を否定した(DW)。「ロシアはずる賢い暴漢が率いる世界的脅威だ」「プーチン大統領はこの大統領選の邪魔をしてはならない」と声明で語った。

 共和党の副大統領候補マイク・ペンス氏も、声明で「FBIがこのハッキングの背後にいる人物の正体を暴くだろう」「もしそれがロシアで、わが国の選挙に干渉しているのであれば、共和、民主の両党と米政府は、確実に深刻な結果を生じさせると断言できる」と述べた。

◆「トランプよ、プーチン幻想から目を覚ませ」
 トランプ氏のこの発言が注目を浴びているのは、トランプ氏が以前、プーチン大統領を高く買う発言をしていたためでもある。トランプ氏がロシアに対して見せそうな外交姿勢も、トランプ批判の1つの焦点だ。共和党色の強いウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)社説も、この件に関しては批判的で、「プーチン大統領はアメリカの友人ではないし、さらにいえばトランプ氏の友人でもないと、誰かトランプ氏に教えてやってほしい」と語る。

 トランプ氏のコメントは、それ自体、弁護の余地がないものだが、トランプ氏とプーチン大統領の、見たところブロマンスの文脈で登場しているため、なおさら不安をかき立てるものだ、と同紙は語る。トランプ氏は、プーチン大統領には自分の思い通りに事を運ぶ能力があるので、この独裁的人物を好んでいるとしばしば語っているし、またトランプ氏は、相手より優れた自分の交渉スキルで、独裁者プーチン大統領を出し抜けると思っているようだ。だが、「それは終わりにしよう、ドナルド」と同紙は語りかけている。

 トランプ氏には地政学の短期集中講座が必要だ、同氏の発言は、つけ込める弱点を探し求めている世界中の敵から注目されている、と同紙は語り、発言に気を付けるよう同氏に促している。

 そのトランプ氏は、ここにきてプーチン大統領と距離を置くような発言を始めた。「プーチン大統領には会ったことがない。どんな人物かも分からない」(ガーディアン紙)

(田所秀徳)

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